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トップインタビュー:佐藤直樹日活社長

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トップインタビュー:佐藤直樹日活社長

2007年05月30日
背伸びしない日活の力を出すラインナップになった
 ロッポニカ以来19年振り
 大作第1弾「ヤッターマン」/若手女優作品を揃える


日活は16タイトルのラインナップを発表。川上(製作機能)に次いで川中(ディストリビュート)、川下(直営興行)の強化を順次図り、映画プロダクツNO・1、作品収益率NO・1、作品展開力NO・1カンパニーを目指すという

ロッポニカ以来19年振り

日活は4月10日、東京・千代田区丸の内の東京會舘で「2007~2008ラインナップ発表パーティー」を開催。邦画15作品、洋画1作品、その内実写13作品、アニメ3作品の製作・配給・制作プロダクション・配給協力作品を発表した。日活にとっては、1988年の「ロッポニカ」発表以来19年振りのラインナップ発表であり、インデックス傘下に入った新生・日活にとっても初の発表会開催だった。今回、16タイトルのラインナップを編成する経緯や作品概要、抱負、今後の経営戦略について佐藤直樹日活社長に聞いた。

 ――一昨年11月に落合正美会長からスカウトされ日活の社長に就任して1年半が経過するわけですが、就任当初の業界誌記者との懇親会の席上、日活の再建策として企画製作部門の立て直しを手掛けていると話していましたが、その成果として今回のラインナップ発表になったということですか。

佐藤 そうですね。まず企画製作部門の立て直しと言いますか、経営資源を川上に集中させ製作機能を強化したいと話しました。その成果として昨年劇場公開のワーナー映画配給の「デスノート」と「デスノート the Last name」の制作プロダクションを担当し、日活は高い制作能力を持っていることを証明できたのかなと思っています。監督の金子修介氏も日活出身で、私にとっては平成「ガメラ」シリーズ以来の本当に久方ぶりにご一緒させていただくお仕事だったのですけれども、快く受けていただきました。撮影所で育ったプロデューサーの椋樹弘尚が企画製作部長として昨年日活に合流してくれたりと撮影所育ちのメンバーが集まってくれ製作体制の強化という意味では一定の成果を収めつつあるかなと思っています。


 ――「デスノート」は前後編で興収80億円の大ヒットを記録、3月14日に発売したDVDも100万枚を出荷しましたね。

佐藤 はい、100万枚は超えました。もちろん今回、幹事会社は日本テレビさんで、日本テレビさんとは徳間グループ、大映以来、10数年間にわたって平成「ガメラ」シリーズ、「着信アリ」シリーズ、「戦国自衛隊1549」「妖怪大戦争」―私が今までプロデュースを手掛けてきた数々のタイトルはほとんど日本テレビさんとです。今回日活で好成績を収め日本テレビ奥田誠治映画事業部長の友情に応えることもできました。とてもうれしかったのは、今回氏家齊一郎取締役会議長から年明けに「モスト・バリュアブル・パートナー」という賞をいただいたことです。


 ――それはどのような賞ですか。

佐藤 日本テレビに対して、もっとも貢献した、パートナーシップがうまくいった者(企業)に贈られる賞らしいのですが、この「デスノート」で頂戴しました。


大作第1弾「ヤッターマン」

 ――佐藤社長は以前ラインナップとして大作が年間2本ぐらい、チェーンに公開する作品が3~4本ぐらい、若手監督作品が1本から2本というお話をされましたが、今回発表した16タイトルはこの方針に沿って出されたものなのですか。

佐藤 今回のラインナップは、有力な新進気鋭の女優作品、人気アニメ、コミック原作、ベストセラー原作の映像化、強力なクリエイターの作品等々、いまの日活にとっては自信作をラインナップしました。もちろんいまの私どもの自信作であります。今後、質・量ともさらなる拡充を図っていきます。


 ――発表の翌日、スポーツ新聞をはじめ各新聞が「ヤッターマン」と「科学忍者隊ガッチャマン」の映画化を大きく報じていましたね。

佐藤 「ヤッターマン」は日活が自信を持って世の中に贈り出す大作第1弾で、インデックスグループが総力を挙げて取り組む実写映画化タイトルです。監督は「着信アリ」「妖怪大戦争」でご一緒した三池崇史氏を起用しますが、三池崇史氏がどう「ヤッターマン」を料理するのか、たぶん業界騒然というのか、「えっ!佐藤、何考えているの!?」と(笑い)。ただ、「タイムボカン」シリーズという最もヒットしたタツノコのシリーズの中で、一番視聴率が取れて数々の造語と言いますか、「ブタもおだてりゃ木に登る」という名フレーズを生み出してきた認知の高いタイトルなのです。


 ――いつ頃の公開を予定していますか。

佐藤 パートナーとして松竹さんに配給をお願いしていますが、08年初冬にキャストを発表、09年春の公開を目指しています。大作は時間がかかりますからね。平成「ガメラ」シリーズも企画を立ち上げてから、公開まで4年かかっていますからね。


 ――製作費はどのくらいかけるのですか。

佐藤 総製作費13億円を想定し、興収50億円を達成したいと考えています。様々なメディア・ミックスの展開ができるタイトルです。私が担当し成功を収めてきたタイトルも、同じようにキャラクター・マーチャンダイジングのビジネスが展開できました。異業種の方々と様々な接点を持って展開できるタイトルを選びました。


 ――同じタツノコプロ原作の「科学忍者隊ガッチャマン」の映画化も発表しましたね。

佐藤 これを言うと「佐藤、またか、お前、知恵がないなあ」と言われそうですが、製作を決定しました。


 ――これも実写ですか。

佐藤 ライブ・アクションです。SMAPのCMだったりとか、一時期業界の中でも映画化の噂が駆けめぐっていましたが、正式に日活が製作を決めました。日本の特撮技術、SFX技術の枠を集めたタイトルになると思います。監督はまだ未定です。まず「ヤッターマン」、次に「ガッチャマン」という順で製作していきますが、デベロップメントは早々に走らせている状況になっています。


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