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インタビュー:IMAX社CEO リチャード・L・ゲルフォンド

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インタビュー:IMAX社CEO リチャード・L・ゲルフォンド

2009年08月10日
最強のシアター、いよいよ日本上陸
 驚異の「IMAXデジタルシアター」誕生
 特別な映画鑑賞体験、日本市場最重要視
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最強のシアター、いよいよ日本上陸
 驚異の「IMAXデジタルシアター」誕生
 特別な映画鑑賞体験、日本市場最重要視
 
 日本初の「IMAXデジタルシアター」が、6月19日にオープンした。カナダのIMAX社と、日本の東急レクリエーションとのジョイントベンチャーによるもので、109シネマズ3劇場(川崎、埼玉県の菖蒲、大阪府の箕面)の各1スクリーンを改装して、同シアターを誕生させた。
来日したIMAX社CEOのリチャード・L・ゲルフォンド氏に、同社の世界戦略、日本における事業展開の見通しなどを聞いた。





特別な映画鑑賞体験

 ―― 「IMAXデジタルシアター」のオープンは、今回が日本で初めてです。これが、どれだけ凄いものなのか。何せ初めてですから、実感として分かりません。一体、何が凄いのですか。

リチャード IMAXデジタルシアターの凄さは、単独の要素ではなく、いくつもの要素が合わさって実現されます。
(1)まずは劇場の設計です。特許も取っているのですが、スクリーンが大きく、床から天井まで、左右も壁から壁まで全面に広がっています。それによって、劇場の空間比率が特徴的になります。通常の劇場はスクリーンが小さいので縦長ですが、IMAXシアターは真四角に近い劇場になります。
(2)音響は、コンプレス(圧縮)されていない1200ワットのデジタル・サウンドを提供します。それと同時に、劇場での観客の入り具合、どこに誰が座っているかをリアルタイムで察知し、そのデータをフィードバックし、音響を調節できます。そのためIMAXシアターでは、どの座席でも均一の音が聞こえます。
(3)プロジェクターは2台で映写し、その2台の間にイメージエンハンサーという箱のような機材を置きます。これを通じて、スクリーンに映写された画像のデータがフィードバックされ、明るさの調節などが自動的に行われます。
(4)映画の作品自体のアップグレードをします。スキャンして、デジタルデータとして転換して輪郭線、色彩をより鮮明に、明るさも高めに、画素数も増やし、荒い粒子も修正します。こうした35㎜フィルムをIMAXフォーマットに変換する独自技術を「IMAX DMR(Digital re-Mastered Release)」と呼んでいます。

 ―― 「ハリー・ポッターと謎のプリンス」はIMAXシアターのみ3D上映するそうですね。

リチャード 同作品の最初の12分間を3Dで上映します。この部分は2Dで撮影されていますが、当社は2D映像を3Dに転換する技術を持っています。通常のデジタル3D(リアルD、ドルビー3D、XpanD)は、スクリーン上の奥行が深くなって立体感が感じられる仕組みです。一方のIMAX3Dは、スクリーンに対する観客の視野が圧倒的に広いですから、他のデジタル3Dに比べて飛び出す感覚が強くなります。まるで鼻先にまで飛び出してくるイメージで、子どもであれば、手を伸ばして映像を掴もうとするくらいです。
IMAX版では、他にも色々なプラスアルファが可能です。例えば「トランスフォーマー/リベンジ」の場合、マイケル・ベイ監督が4つの戦闘シーンを70ミリのIMAXカメラで撮影しており、これらのシーンだけ床から天井まで映像がさらに広がります。前述の(1)~(4)や、3D、IMAXカメラなどの要素が全て合わさって、IMAXの劇場体験が特別なものになるのです。
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