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アンテナショップの新時代

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アンテナショップの新時代

2012年04月18日

 「作りたてのお菓子が買えるニュースポット」をキャッチフレーズに、江崎グリコが「ぐりこ・やKitchen」をJR東京駅八重洲口の一番街「東京おかしランド」にオープンして評判になっていると言う。今後は東京・台場の「ダイバーシティ東京」にも同店をオープンさせるそうで、こちらはフジテレビとコラボした新製品のポッキーも発売すると意気込んでいる。

 「ぐりこ・や」というのは、ショップ限定のグリコ・オリジナル商品を販売している、いわゆるアンテナショップ。東京の他、大阪や福岡など全国に16店舗の「ぐりこ・や」という名称で展開している。有名なところでは、東京アクアラインの “海ほたる” にもあって評判も上々らしい。特に、千葉県知事に森田健作になってからは、アクアラインの通行料が下がったことから観光客も急増したこともあって、売上げも倍増していると言う。

 そういった中で華々しくオープンしたのが東京駅一番街の「ぐりこ・やKitchen」。グリコにとっては全国で17店目のアンテナショップになる。

 この場所は、東京ステーション開発(株)が運営する商業施設。これまでは、各テレビ局のキャラクター・グッズの店が立ち並んでいたが、そこに、今度はお菓子をテーマにした「東京おかしランド」が割り込んだというわけだ。

 因みに「ぐりこ・やKitchen」の他に「森永のおかしなおかし屋さん」(森永製菓(株))や「Calbee+」(カルビー(株))なんかも加わっている。

 「森永のおかしなおかし屋さん」は、森永製菓にとっては、初めてのアンテナショップとなるそうで、森永のお菓子を使ったデモンストレーションなどを行っている。また、東京限定のお土産やスイーツ、さらにはオリジナル文具などのキャラクター・グッズも用意している。

 「Calbee+」は、カルビーのアンテナショップとしては全国で3店目。揚げたてのポテトチップスなどを提供する他、やはりキャラクター・グッズの販売もある。

 しかし、何と言っても、アンテナショップに力を注いでいるのが江崎グリコの「ぐりこ・や」だ。同社としてはマーケッティング部門の「新規事業」として取り組んでいるという。で、同店の最大の “ウリ” は初めてお菓子を作る設備を設けたこと。「アーモンドチョコレート」等が出来上がる過程をガラス越しに見ることが出来る。主力商品である「ポッキー」は設備的に難しいが「アーモンドチョコレート」だったら…ってことのようだ。

 「製造専用のマシンについては注目度は高くって、テレビ各局からの取材が殺到しました」
 とは担当の山崎雅夫さん。

 確かに、目の前で製造した作りたてのチョコレートを味わうことが出来るというのは新鮮さもあって大きな魅力だろう。もちろん、各種多彩なグリコのキャラクター・グッズも用意されている。

 とにかく、音楽業界に限らず、どの産業も「本職」だけやっていては難しい時代になってきたことは明らか。持ち味を生かしながらも、その中から新たな事業を展開していかなければならないことは言うまでもない。そういった意味でアンテナ・ショップは単にユーザーのニーズや情報を集めるためだけの場所から、情報を発信したり提供するオピニオン的な役割も重要になりつつある。もはや根本的に構造を考え直さなければならない時代になったのかもしれない。

(渡邉裕二)

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