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ネット時代のタレント

2013年02月07日

 芸能人の社会的責任が問題視されたペニーオークション問題。

 これは約2年前に自身のブログにペニーオークションのサイトで落札もしていない商品を、いかにも落札したかのように記述した問題である。

 このペニーオークションというのは、入札毎に手数料が必要になる形式のネットオークション。スタート時の価格や落札価格などは通常のオークションに比べると低額だが、入札時に手数料がかかることから、最終的には高額な入札手数料が発生する。そのため、国民生活センターへの被害相談が相次ぎ、ついに昨年末には逮捕者まで出た。しかも、そのオークションを煽っていたのがグラビア系のタレントだったことから一気に事件がクローズアップされた。

 で、事件に関わっていたとされるのが松金ようこ、小森純、熊田曜子、ほしのあき…。次々にタレントの名前が明らかになっていった。とにかく、あるタレントはアロマ加湿器を225円で落札したと書き込んだ。当然、虚偽の記述だ。「頼まれて記述した」とは言うものの、現実は書き込むことで数十万単位のギャラが発生していたと言うから、明らかにブログを使った「虚偽広告」。しかも、このブログによってオークションに参加した人も多いだろうから、ある意味では「詐欺ほう助」にもなり、被害者が「損害賠償請求」をすることだってあり得る。要は、芸能人として実に無責任な行動だったことは明らかだ。

 ネット時代になって、こういった事案は大なり小なり多くなっている。特に、タレントのブログを使っての宣伝、PR展開は増えているし、大手広告代理店も “ビジネス” として業務の中に取り入れている。例えば、あるサプリの会社では、あるカリスマモデルを使ってPR展開をしている。「○○も使っているんだから…」と問い合わせが増えたと言う。また、僕の知っているモデルなどは自身のブログの中で行ったこともないスポーツクラブに、いかにも行ったかのような記述をしていた。そのモデルは笑いながら「営業だから…」と軽く言い流していた。

 結局、何が問題かというと、多くのプロダクションが所属タレントの管理を怠っていると言うことである。「決められた仕事さえやってくれれば…」ということなのか? 仕事さえやってくれれば、あとは個人の自由…それが時代の流れと言ってしまったら、プロダクションは余りにも無責任だろう。タレントは時代のオピニオンリーダーであり、その影響力は計り知れない。それだけにプロダクションもタレントも責任は重大なのだ。そう考えたら、プロダクションは所属タレントの管理は徹底的にしていかなければならないし、ファンとタレントを直接結ぶブログは常にチェックしていかなければならないと思うのだが、そういった自覚が全くないと言うのはプロとして実に情けない。

 ペニーオークションについては、加わったタレントは、一応の謝罪のようなものはしていても、結果的にはスルー状態だ。人の噂も75日で、時間が過ぎれば何とかなるとでも思っているのだろう。そういった中で、小森はTBS「サンデージャポン」に生出演し痛烈な批判を浴びた。批判はどうであれ、いきなりテレビに生出演して涙ながらに訴えるというのも、実にテレビ的である。ま「テレビで1回釈明したら大丈夫だから…」なんて甘い考えも裏にはあったに違いない。

 いずれにしても彼女たちの責任は免れない。タレントとネットの関係はさらに密接に結びついていくだろう。そういった中でメディアで活動しようと言うタレントは、常にプロとしての自覚と責任、行動が求められていくことは確かだ。

(渡邉裕二)

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