閲覧中のページ:トップ > コラム > 社長・芸能音楽デスクコラム >

震災後のレコード産業の進むべき路は…

社長・芸能音楽デスクコラム

最新記事

震災後のレコード産業の進むべき路は…

2011年03月30日

 溝口浩司という友人が「シー・イー・ユナイテッド」という新会社を設立した。「音楽、エンタテインメント、ネットなどの力を信じて、新たなパワー、勇気が少しでも伝搬するように展開したい」と意欲を見せていた。

 彼によれば、インターネットを中心にしたワールドワイドなエンタテインメントのマーケティング新会社らしい。それにしても、この東日本大震災と大津波というW災害でエンタテインメント業界は冷え込みガタガタになっている。そんな中で、何とも攻撃的な…。

 すると彼は、大震災によって今後、内向きだった日本人の視野が広がり、再び海外に目を向けるようになってくるんじゃないかと言うのである。要は、国内から海外に目を向けると読んでいる。で、彼の設立した新会社というのは、米ニューヨークのエンタテインメント・マーケティング会社「ビッグ・アップル・スタイル・マーケティング社(BASM)」との包括業務提携をベースに、同社が戦略緒パートナーシップを結んでいる世界各国の各種メディア、コンテンツホルダーとの連携によって日本の有用コンテンツ・アーティストの効率的な海外進出をはじめマーケティング戦略立案、展開コーディネーション等のサポートを図っていくのだと言う。

 経営的なサポーターには、かつてソニー・ミュージックエンタテインメントで、インターネット事業をはじめZepp Tokyoをはじめとするライブハウス事業を手がけてきた秦幸雄氏(元SMEコーポレートエグゼクティブ、ネット&メディアグループCOO)をエグゼクティブ・アドバイザーに迎えている。

 彼は「真のグローバリゼーションが間もなくやってくる。既存のレコード会社を中心とした音楽産業構造も大きな見直しを迫られている」と言い、新会社には、かなり自信を持っているようだ。

 すでに、設立の第一弾プロデュース・アーティストとしてRIZE(97年夏結成、00年8月デビュー。日本を代表する3人組ミクスチャーロックバンド。完璧なライブ演奏力とサウンドクオリティには提供があり、ワールドワイドでの展開が期待される次世代を背負うリアル・ロックのリーダー的存在)とSAYUKI(正統派R&B・ブラックコンテンポラリーアーティスト&コンポーザー。NYでの生活体験・音楽活動、ファッションモデルとして培ってきた独自のセンス、そして大人の音楽テイストに満ちたSAYUKIサウンドを日本国内だけでなく世界の音楽ファンに向け、11年春より本格再スタート)の2組を契約、4月20日から音楽配信の「Music.Jp」で独占先行配信を行う他、6月からは全米MTVや米国の20を越すラジオ局で集中オンエアー展開を図っていくと言う。

 果たして、思惑通りに行くのか…。

 いずれにしても、今回の東日本大地震で受けた国内の影響は甚大だ。

 音楽(レコード)業界に限って言うと、被災地東北のマーケットシェアは全体の8%程度だが、今回の震災によって、すでに35%が失われたと言われる。つまり、レコード産業は、震災以来僅か3週間で3分の1強も激減したというのである。

 東京近郊を中心とした関東地方では「計画停電」などで、連日の節約ムードである。これではCDを買う雰囲気も失われ、まして音楽配信も伸び悩む。コンサートやイベントも自粛され、現時点では打開策さえ見い出せない状態である。このような状態がいつまで続くのか…。それが、正直なところ最も不安視されるところである。

 確かに、このまま内向きになっていたのでは発展性がない。被害のない西日本に期待がかかるが、その一方で、あるいは、これまで以上に中国やアジア圏を含めた海外に目を向けることも重要となってくるのかもしれない。


(渡邉裕二)

過去のタイトル一覧

2017年

8月

2015年

6月│ 8月

2014年

2月│ 6月│ 12月

2013年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 10月│ 11月

2012年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2011年

1月│ 2月│ 3月│ 4月│ 5月│ 6月│ 7月│ 8月│ 9月│ 10月│ 11月│ 12月

2010年

10月│ 11月│ 12月