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「TOEI TRY△NGLE」発足で鈴木東映執行役員に聞く

2011年08月29日

 東映が去る8月11日に発表した新配給レーベル「TOEI TRY△NGLE」を立ち上げ、24年ぶりに外国映画を買付け、配給することが業界の話題になっている。第1弾は昨年韓国で630万人を動員する大ヒットを記録したウォンビン主演「アジョシ」(9月17日公開)、第2弾はジャッキー・チェン出演100本記念となる歴史大作「1911」(11月5日公開)。

 既存のインディペンデント各社にとっては新たなライバルの誕生であり、外国映画の興行の低迷が続く今の日本映画界にあってあえて外国映画の買付け・配給にトライする狙いは何なのか、同社の鈴木英夫執行役員国際営業部長に聞いた。

 鈴木氏はもともと、昨年3月までウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン映画部門代表を務めていたが、同年の6月に東映に入社。今回の話は、国際営業部の主な業務である東映映画の外国への輸出、それも未開拓である中国への輸出を図るため、ジャッキー・チェンに相談したところから始まったという。鈴木氏はもともとウォルト・ディズニーに入る前に、東宝東和に在籍、ジャッキー映画の宣伝を手掛け、現在も交友関係が続く仲で、中国ではいまだにクォーター制が存在しており、日本映画は年間2本しか中国国内で公開されておらず、その中で毎年「ドラえもん」は上映され、あと1本を例年競っているのが現状。ジャッキーは中国政府とも近く、今回ジャッキーのサポートにより来年までにタイトルは決まっていないが東映映画が中国で上映されることが内定した。その中で、ジャッキーより彼が主演する「1911」のオファーがあり、マーケットを通さずに東映単独でオールライツの権利を取得した。

 「アジョシ」も国際営業部に在籍する大久保忠幸課長代理と同作品の日本への販売権を持つユナイテッド・ピクチャーズのバイヤーとの長年の信頼関係で、同じく単独でオールライツの権利を獲得した。

 第3弾以降のラインナップは未定。2大スターが共演するアメリカ映画がオファーされたが、試写を見て断り、現在、ある製作会社から同社の作品すべてを配給して欲しいという依頼から、イタリアやスイスからもオファーが来ているという。

 鈴木氏は、「1911」が公開される今秋以降に第3弾の作品を発表するとしているが、年間の買付け・配給本数は固定せず、その時その時でフレキシブルに対応する方針である。

(代表取締役社長:指田 洋)

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