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『あん』河瀬監督×写真家キー氏トークイベ

【FREE】『あん』河瀬監督×写真家キー氏トークイベ

2015年06月18日
左からキー氏、河瀬監督、後方パネルはキー氏がカンヌで撮影した写真 左からキー氏、河瀬監督、後方パネルはキー氏がカンヌで撮影した写真

 5月30日からの公開2週間で興収2億円を突破した『あん』(配給:エレファントハウス)の大ヒット御礼トークイベントが、16日夜にシネスイッチ銀座で実施され、河瀬直美監督と写真家レスリー・キー氏が登壇した。

 『あん』は、第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門オープニング作品。生きる意味や森羅万象の中で生かされる人間をテーマに壮大なドラマを描いたもの。河瀬監督は、「何かになれなくても大丈夫。私たちが生きる世界は、こんなにも素晴らしいんだよというメッセージを込めた。本作で描いた出会いの可能性は、私たちが生きる世界には大きく存在するはず。様々な形の出会いに対して想いを馳せながら制作した」と解説した。

 両者の出会いは7年前。偶然にも、ビジュアルアーツ専門学校系列の先輩後輩関係にあった。カンヌ前の4月、河瀬監督はレスリー氏を完成披露に招待。作品に惚れ込んだレスリー氏は、5月のカンヌ直前、河瀬監督に映画祭用の衣装デザイナーを紹介。その打ち合わせの中でカンヌに同行することになったという。イベント当日、舞台上には、レスリー氏がカンヌで撮影した『あん』組の写真が並んだ。

 トークテーマは、「いかに作品と向き合うか」。河瀬監督は、「『作品のために死ねるのか』を今まで意識し、実践してきた。それくらいの情熱をかたむけ、向き合って何かを作っているかということ。つねに何かを求める気持ちを持つことを目指している」と熱く語ると、キー氏も、「自分にとって最愛のひと/ものに出会えた時、生きる意味があるなとすごく感じる。河瀬監督のおかげで、私のものづくりに対する覚悟や姿勢も変わっていくだろう。私が愛する『あん』という作品を多くの人に知ってもらいたい」とさらに熱く返した。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。