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目黒C「市川準監督特集」宮沢りえ当時語る

【FREE】目黒C「市川準監督特集」宮沢りえ当時語る

2015年12月08日
トークショーに登壇する宮沢りえ トークショーに登壇する宮沢りえ

 目黒シネマでは犬童一心監督の持ち込み企画として特集上映「市川準監督特集 2015 市川準と女優たち」を開催中。11月21日より実施され、5日より最終週を迎えた。6日、『トニー滝谷』(05年公開)が上映され、主演の宮沢りえが登壇し、撮影当時を振り返った。

 当日は立ち見が出る程の盛況ぶりで、ゲストが登壇すると大きな拍手が起きた。宮沢は「私の中の市川監督のイメージは、高いハードルを当たり前の様に与えてくる人物(笑)。同作では台詞の間にナレーションを読んだり、暑い日に衣装がタートルネックだったり…。それらをまるで普通のことの様に仰る方(笑)。特に印象的だったのは、泣く芝居について、その動機が台本に書かれておらず、説明もなかった。『これどういうシーンですか』と尋ねると、『うん、台本に書いている通り、洋服を着ていて泣くというシーンなんです』と返された。私が『分かりますけど、分からないんですよね』って思っていると、『僕もよく分からないから、やってみてよ』って(笑)。それ以上、出来ないとか、分からないとかを役者に言えない空気を作る人で、魔法をかけられたような心持ちになった。泣きながら、ナレーションを読まされる等、役者として本当に鍛えられた」と当時を振り返った。

 さらに「ある日、現場を終えると肩をガシッと掴んでくれた市川監督。そういう事がたまにあったが、何よりも『また一緒に映画を作りましょう』と仰って頂き、その言葉には『褒めて頂きたいな』と毎日積み重ねた欠片が集約されていたと思う」とコメントした。同特集上映は11日まで実施。最終週の上映作品は『トニー滝谷』『つぐみ』の2本。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。