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クレスト『アンジェリカ』イベに立川志らく

【FREE】クレスト『アンジェリカ』イベに立川志らく

2015年12月15日
『アンジェリカの微笑み』トークイベントに登壇した立川志らく 『アンジェリカの微笑み』トークイベントに登壇した立川志らく

 クレストインターナショナル配給『アンジェリカの微笑み』が12月5日より公開中。今年4月に106歳という長寿を全うし永眠したポルトガル人監督マノエル・ド・オリヴェイラが101歳の時に発表した作品。生誕107年を記念する11日、メイン館Bunkamuraル・シネマでトークイベントが開催され、落語家で映画通の立川志らくが登壇した。

 同作は亡くなった絶世の美女に取り憑かれた青年のかなわぬ恋が描かれており、怪談「牡丹灯籠」のポルトガル版とも呼ばれ、落語の怪談噺に通ずるところがある。立川は「『牡丹灯籠』という題目は、若手がやっても怖くない。52歳の私がやってもまだまだ。オリヴェイラは観客を怖がらせようとするアプローチで本作を撮ってはいない。けれど、よくよく考えるとゾクゾクと怖さが出て来る。またカット尻が長いことが本作の特徴。その長さに何の意味もないが、間を持たせ、最終的にそれが映画全体のリズムとなっている。こういった並みの監督だったら出来ないことをやってのけ、さすが熟年の技だというところだ」と説明。最後には「良い映画と悪い映画をどこで決めるかとよく聞かれる。突っ込んで言うならば品があるかどうか。勿論本作にはそれを感じたし、若い監督には本作で品を学んでほしい。ストーリーも単純で若い青年が死んだ女に惚れるというもの。大人に向けた味わいのある映画だと思う」と作品の魅力を語った。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。