東宝=ギャガ配給『三度目の殺人』の公開記念舞台挨拶が19日(火)、TOHOシネマズスカラ座で行われ、是枝裕和監督と主演の福山雅治が出席。事前に一般のファンから募った質問に答えた。
「映画鑑賞後、モヤモヤした気持ちになったのは監督の狙いか?」との問いに、監督は「狙いです。主人公の重森(福山)は、はっきりと真実が掴めないままに判決が出て、裁判所を出た後にモヤモヤしていると思う。でも次の裁判に行かないといけないという主人公の心理を、皆さんにも感じて劇場を出て頂きたかった」と話し、福山も「僕もモヤモヤしていた(笑)」と語った。19歳の応募者からは「難しい映画だった。次観るならどの角度から観ると違った面白さが出るか」との質問が寄せられ、福山は「若い時に観た映画ってその時はその時の解釈がある。彼(質問者)も大人になったら解釈が変わるんじゃないかな」と話し、監督は「映画の最後で広瀬(すず)さん演じる咲江の『ここでは誰も本当のことを話さない』というセリフがある。もう1回観返した時に、この登場人物は誰も本当のことを話していないんじゃないかと思いながら観るとまた見え方が違うかもしれない」とアドバイスした。
2人は会場の客からも質問を受け付け、鋭い質問が次々と挙がると、監督は「細かい部分も届くんだなと感じて、良かったなと思った」と感想を述べた。