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角川=平成P配給『ソローキン~』製作会見

【FREE】角川=平成P配給『ソローキン~』製作会見

2018年05月22日
 2018年日露交流年記念/南海放送開局65周年記念作品となるKADOKAWA+平成プロジェクト配給『ソローキンの見た桜』の製作発表が21日午後、在日ロシア連邦大使館で行われ、阿部純子、イッセー尾形、井上雅貴監督、田中和彦(原作者/南海放送社長)、ミハイル・ガルージン駐日ロシア大使が登壇、挨拶した。

 作品は、日露戦争のさなか、愛媛県松山に設置された「捕虜収容所」を舞台に、日本女性とロシア軍少尉の捕虜が織りなす愛の物語。監督は、アレクサンドル・ソクーロフや石井岳龍に師事した井上雅貴。プロデューサーは『こいのわ 婚活クルージング』等の益田祐美子(平成プロジェクト)。キャストは『2つ目の窓』等の阿部純子が一人二役を演じて主演する。ソローキン役にはロシア人俳優ロデオン・ガリュチェンコ、他にアレクサンドル・ドモガロフ、イッセー尾形、山本陽子、斎藤工、六平直政らが共演。今年6月から7月にかけて撮影し、2019年春公開の予定。

田中和彦 2004年が日露戦争100周年で、松山にあったロシア人捕虜収容所の話をラジオドラマ化し、第1回日本放送文化大賞ラジオ審査グランプリを受賞しました。日露戦争時日本で第1号の捕虜収容所が松山にできました。2年間の戦時中、6千人のロシア兵が松山に連れてこられ、当時松山の人口は3万人で、5人に1人がロシア人でした。戦争の真っ最中です。その間、亡くなった98人のロシア兵のお墓を松山人はモスクワに向けて作り、いまもそのお墓を老人会や中学生たちが清めています。この事実を全国に発信したい、そのお墓を大事にする日本人の魂を全世界に知らしめたいというのが、「ソローキンの見た桜」というラジオドラマを作った動機です。時を経て明治維新150年の記念の年であり、日露友好年の年に映画化されることになりうれしく思います。

井上雅貴監督 今回は松山とロシアで撮影する『ソローキンの見た桜』を監督することになり感謝しています。阿部純子さんは、主人公の高宮桜子と竹田ゆいという2役を演じていただきます。イッセー尾形さんには、松山の捕虜収容所の所長を演じます。収容所で収容されていたボイスマン大佐にロシアで有名な俳優のアレキサンドル・ドモガロフさんに演じていただきます。日露友好の作品として非常に価値ある重要な作品だと思っています。できる限りの力を注いで映画を製作していきます。

阿部純子 日本とロシアの交流の作品に出演させていただくということで今から胸がいっぱいです。一人二役なのでとても緊張しています。この作品で初めてロシアに渡航するので、楽しみにしています。この作品を通して(日本とロシアの)絆が深くなるきっかけになればいいなと思っています。

イッセー尾形 (私が演じる)河野所長は当時、ハーグ条約、捕虜の人権をどこまで尊重するのか、日々悩んだと思います。どこまで許されるのか、どこまで許してはいけいないのか。そのへんの苦悩とかジレンマがあったと思います。ぼくはそれをいっぱい体験したいと思っています。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。