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「審判」を現代日本で映画化、FCCJ会見

【FREE】「審判」を現代日本で映画化、FCCJ会見

2018年06月27日
 『いちばん美しい夏』『スターフィッシュホテル』『佐渡テンペスト』等で知られる、ジョン・ウィリアムズ監督の新作『審判』が30日よりユーロスペース他全国順次公開される。製作・配給は百米映画社。25日には、有楽町の日本外国特派員協会(FCCJ)で試写会と会見を開き、監督を始め出演のにわつとむ、常石梨乃が登壇した。

 『審判』は監督が、100年以上前にフランツ・カフカが書いた「審判」の世界観に対して、現代の東京を舞台にするというアプローチで挑んだ一本。カフカの「審判」では、理由が分からないまま逮捕される男を描いており、今作では東京に住む30歳の銀行員を主人公に設定している。

 会見では、記者席より1962年のオーソン・ウェルズ版との比較もあがった。監督は、「ウェルズはオープニングから“悪夢”として描いていて、その雰囲気をノアール的に醸し出した。私の作品でも初めの脚本では、シュールな仕上がりを意識していた。だが、途中で私は本作で現代の日本を描きたい、ということに気が付いた」と説明。

 続けて監督は「“よく見る風景だけど、どこかおかしいぞ”というものを表現したかった。登場するロケ地も(日本の)学校などを使っているが、この学校が意味するものはなんだろうという疑問を想起されるように心がけて映画化した」と観るべきポイントを挙げた。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。