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『春に散る』披露、佐藤“大きなお土産持って帰れる”

【FREE】『春に散る』披露、佐藤“大きなお土産持って帰れる”

2023年07月21日
『春に散る』完成披露試写会開催 『春に散る』完成披露試写会開催

 ギャガ配給『春に散る』の完成披露試写会が19日に東京・内幸町のイイノホールで開催され、瀬々敬久監督、出演の佐藤浩市、横浜流星、橋本環奈、山口智子が舞台挨拶した。

 「深夜特急」三部作をはじめ、数々のベストセラーを世に放ってきた沢木耕太郎の「春に散る」(朝日新聞出版)を映画化。ボクシングを通じ「一瞬」だけを生きると決めた男たちを描く。

 主演の横浜は、先日ボクシングプロテストに合格したことでも大きな反響を呼んだ。共演した佐藤は「撮影の時にも、(プロテストを)やってみたら?と周りがその気にさせていたが、本当に受験するとは思わなかった。ヨシッ!という気分」と横浜の合格を自分ごとのように喜んだ。

 佐藤はトレーナー役として、実際に横浜とミット打ちを行った。「皆さんが思われるよりもキツい。ミットは堅いし、引いたらダメで、こっちも(相手の拳に)当てに行く。またこの男(横浜)のパンチが重くてね…。でもそれを重ねるうちに、アイコンタクトでお互いが出来るようになっていくのが楽しかった」と振り返ると、横浜も「痛いのを知っているからこそ最初は躊躇があったが、浩市さんから『気にせず本気で来い』と力強い言葉を頂けたので、(力を)抜くのは失礼だし、胸を借りて本気で行かせてもらった。信頼関係が無いとこういうシーンは本当に難しい。何度も合わせて、言葉を交わさずとも(二人が演じた)仁一と翔吾の関係を作っていけた気がする」と話し、強い信頼関係で結ばれたことを窺わせた。

 同作のクライマックスは、横浜演じる翔吾と、窪田正孝演じる中西による世界タイトルマッチ。瀬々監督が「ファーストカット、あまりに(2人の)動きが速すぎてカットがかけられなかった。そしたら、(ボクシング指導の)松浦(慎一郎)くんが激怒して『カットカット!このまま死んじゃうよ!』と。すいませんでした」と横浜に平謝りするほど激しい撮影だったことを回想し、セコンドとして見守っていた佐藤は「役者同士の勝負。2人からの『負けたくない』という気持ちが、1カット1カット全部映っている」と熱弁。山口は「輝きが本物」、橋本も「近寄れないぐらいの気迫、緊張感。圧倒された」と、演技の枠を超えた、魂のこもったシーンを絶賛した。

 最後に横浜は「僕らが熱を持って作った作品。その熱量はスクリーンに映っているので、皆さん心で受け取ってくださると嬉しい」、佐藤は「娯楽映画。だけど、最後のクレジットが終わり場内が明るくなって席を立つ時に、皆さんが(上映前の)今思うよりも大きなお土産を抱えて帰ることができる映画になったと思う」と、両者とも作品の仕上がりに胸を張った。

 なお、窪田正孝は病気のためイベントを欠席した。公開は8月25日(金)。制作プロダクションはツインズジャパン。製作委員会はベンチャーバンクエンターテインメント、TBSグロウディア、ギャガ、平成プロジェクト、朝日新聞出版。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。