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パルコ『ティル』、松尾潔とISOがトークセッション

【FREE】パルコ『ティル』、松尾潔とISOがトークセッション

2023年12月02日
 パルコ配給のユニバーサル映画『ティル』(12月15日公開)のイベントが11月30日にユーロライブで開催され、音楽プロデューサーの松尾潔、ライターのISOによるトークセッションが行われた。

 同作は、1955年に起こった14歳の黒人少年が殺された事件で、のちの公民権運動を大きく前進させるきっかけともなった「エメット・ティル殺害事件」を描いた映画。監督はシノニエ・チュクウ。出演はダニエル・デッドワイラー、ウーピー・ゴールドバーグ。ISOは「エメット・ティルの事件自体は、ボブ・ディランの楽曲(「The Death of Emmett Till(エメット・ティルの死)」)で知っていたが、その裏でこんなことがあったんだと改めて知った。BLM(ブラック・ライブズ・マター)の動きが大きくが広がったいま、作られるべくして作られた、見られるべき作品だと思った」と語り、同作の魅力として「事件は非常に凄惨だが、この映画は焦点を凄惨な部分ではなく、(エメットの)母親のLOVEの部分に置いている」とコメント。松尾は「似たようなことを我々は起こしちゃいけない。そのためにまず、起こったことから目を背けて無かったことにしてはいけない。起こったことを認識して、そこから何を学べるのか。悲劇の連鎖を止めて、悲劇を悲劇で終わらせない。過去を変えることはできないけど、過去の“意味”を変えることはできると、この映画の制作者は言いたいと思うし、エメットのお母さんは、それを実行したということで、非常に勇気づけ、エンパワメントしてくれる」と熱く訴えた。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。