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「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」開幕

【FREE】「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」開幕

2010年07月26日
 「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2010」が23日、埼玉県川口市のSKIPシティで開幕を迎え、当日は『幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター』の上映と、山田洋次監督による舞台挨拶が行われるなど、華々しくオープニングセレモニーが行われた。

 世界で初めてデジタルシネマをテーマとし04年にスタートした同映画祭は今年で第7回を迎えた。今回は、過去最多となる85の国と地域から810本もの応募があり、その中から厳選されたノミネート作品長編13本、短編10本に加え、招待作品など合計44本が映画祭期間中に上映される。セレモニーのはじめに、県議会で欠席の上田清司実行委員会会長(埼玉県知事)がビデオレターを寄せ、「デジタルならではの新たな映像表現や文化を感じとってほしい」と挨拶。続いて岡村幸四郎同副会長(川口市長)が登壇し、「熊坂出監督が昨年のベルリン国際映画祭で最優秀新人作品賞を、遠藤潔司監督が今年のNYインディペンデントフィルムフェスティバルで最優秀短編賞を受賞するなど、多くの若手クリエイターがこの映画祭から育っている。回を追うごとに(出品される作品の)質・量とも進化、向上し、私は(この映画祭は)日本の国家的なプロジェクトになったと思う。日本で最大・最高の映画祭になるように努力していきたい」と意気込みを語った。また、コンペティション作品の監督、増田久雄氏(プルミエ・インターナショナル代表取締役)、桝井省志氏(アルタミラピクチャーズ代表取締役社長)ら審査員も舞台に立ち、会場に詰めかけた映画ファン・関係者らに挨拶した。

 さらに“Dシネマの潮流2010”と題し、映画祭の開幕を飾る『幸福の黄色いハンカチ デジタルリマスター』の上映前に山田監督が舞台挨拶に登場し、撮影時について「これを撮影したのは30数年前。夕張は当時炭鉱も動いていたし、今はだいぶ変わってしまった」「武田(鉄矢)君は、20代で映画初出演。何をやったらいいかがわかっていなくて、随分てこずった(笑)」「黄色いハンカチが翻っているポスターについて、宣伝部から『結末がわかってしまうのはどうか』と言われてモメたが、私は『こういう映画なんだから見てくれ』という思いだった」などと思い出を語り、「こうして今(本作が)ニュープリントのように生き返り、デジタルの技術にビックリしている」と感慨深げな表情を見せた。

 同映画祭は8月1日(日)まで10日間開催。期間中は作品の上映だけでなく、若手クリエイターによる企画のプレゼン「D‐コンテンツマーケット2010」など様々な関連企画が実施される。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。