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ゴーゴーV企画『ひまわり』、“ちむぐりさという言葉のように共感して欲しい”

THE 初日舞台挨拶!

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ゴーゴーV企画『ひまわり』、“ちむぐりさという言葉のように共感して欲しい”

2013年01月26日

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 映画センター全国連絡会議+ゴーゴービジュアル企画配給『ひまわり~沖縄は忘れない あの日の空を~』の初日舞台挨拶が26日、東京の新宿武蔵野館で行われ、及川善弘監督、キャストの長塚京三、須賀健太、福田沙紀が一回目上映後に登壇した。
(写真左から福田、須賀、長塚、及川監督)

 作品は、実際に起きた米軍機墜落事件をモチーフに、オスプレイ配備に揺れる今の沖縄・日本に平和とは何かを問いかける意欲作。

 及川監督は、「映画館は大勢のお客さんが一つになって、一つのスクリーンをしっかり観て、いろいろな思いを分かち合って頂けるのが凄く素敵なところ。映画は出来上がって終わりではなく、観てもらってその思いをまたいろんな方々に伝えていってもらって初めて完成すると思っています」と初日を迎えた喜びを語った。

 長塚が観終わった感想を客席へ問うと大きな拍手が起こり、「満杯の客席を見るととても嬉しいです。ありがとうございました」と挨拶。
 須賀は「今日、初日を迎えられたことが本当に嬉しい。僕はこの作品に関わらせて頂くまで、この事件について知らなかったので、撮影中も不安な部分やどう演じていいのか凄く悩みながら作品を作っていきました。家族で何かを話すきっかけになる映画だと思っています」とし、福田は「私もこの作品に携わらせて頂いてからこの事件のことを知りました。家族の絆だったり、人を想う気持ちというのを改めて考えさせられて、人と人とのつながりがあたたかくて、凄く心があたたまる映画になっていると思います。観終わった皆さんの表情を見られて本当に嬉しいです」と喜んだ。

 実際の事件をモチーフにした作品ということで、役作りも難しかったのではないかと問われると、長塚は「難しいと言えば難しいが、この悲しさみたいなものは沖縄の人でないとわからない部分もあります。ですので、まず沖縄の方言をマスターすることで役に近づき、そして三線を弾かせて頂くことで、少しでも沖縄の方の喜怒哀楽の音楽性みたいなもの理解していきました。短い撮影期間でしたが、そこで出来ることはすべてやらせてもらいました。沖縄は仕事でしか行ったことがなくて、行楽だけではなかなか行きにくい、ある種の後ろめたさがありましたが、こういう映画になって少しでも皆さんに面白いと思って頂けたら、そういう私の後ろめたさも払拭されて、これからは晴れてシュノーケルくわえて、ボードを持って沖縄リゾートに遊びに行けそうな気がします」と思いを明かした。

P1210823.jpg 一方、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズやTVドラマの名子役として活躍してきた須賀は、今回、実際の年齢よりも上の大学生役、しかも恋人のいる役ということで最初は戸惑ったようだが、監督と話し合いながら役を掴んでいったという。そして、「長塚さんとの共演は勉強になりました。普通のおじいちゃんと孫の関係ではないので悩みましたが、長塚さんの背中を見ながら演じさせてもらいました」と役者としての成長を感じさせた。

 福田は沖縄の子供たちとの撮影で、悲しい大事なシーンで、子役の子のくしゃみを顔に浴びるというエピソードも明かしつつ、「沖縄の子供たちとの共演で、沢山の元気を私がもらいながら楽しく撮影できました」と、本作で女優として大事なものを得た様子だった。

 終始和やかに舞台挨拶は進み、最後に及川監督が「日本は南北に広いからこそ、沖縄の問題というのが届かず、どこか他人事になってしまっているところがあります。沖縄の言葉の中で『ちむぐりさ(肝苦さ)』という言葉があって、それは相手の痛みとか悲しみを自分も共有する、そこで分かち合う相手との関係を表します。この映画を観た皆さんもちむぐりさという言葉がある沖縄の人間たちのドラマ、歴史、悲しい出来事、またそこから一歩進んでいこうというような姿に共感して頂きたいと思います。沖縄ではこんな問題があって、それに背を向けないで向き合って歩もうとしている人たちがいるというドラマ。決して社会を批判するような映画ではなく、人間ドラマとして、今日観終わった感想をいろんなところに広めて頂ければ幸いです」と締め括った。

1月26日(土)より新宿武蔵野館他にて全国順次公開。

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