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あまりにドラマチック、図鑑絵本「セミたちの夏」 (vol.58)

平池記者の「競馬ときどき映画」

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あまりにドラマチック、図鑑絵本「セミたちの夏」 (vol.58)

2013年08月26日

 競馬や映画のことばかり書いている当欄ですが、今日はちょっと趣向を変えて「絵本」の話。

 子供がまだ幼いので、私もちょくちょく絵本を読みます。映画と同様、もちろん絵本にも当たり外れがあるのですが、「これは凄い!」というものに最近出会ったのでご紹介。


 「セミたちの夏」という絵本をご存じでしょうか。 ※コチラを参照(ためし読みあり)

 小学館が出している、図鑑と絵本を融合した「図鑑NEO」というシリーズの1つで、昨年の夏に発売されました。

 この「セミたちの夏」は、図鑑と同じく美しい写真を載せつつ、セミの一生を絵本仕立てで描くもの。

 まず、その写真が素晴らしい。セミが青空を力強く羽ばたく写真をはじめ、卵の状態、幼虫の状態、そして夜に地中から這い出し羽化する写真。どれもこれも見入ってしまいます。

 そしてその物語。映画界でも今は「実話をもとにした作品は当たる」と言われていますが、「セミたちの夏」も、セミの一生を淡々と、しかもわかりやすいストーリーで解説するノンフィクション。

 「淡々と」というと退屈に聞こえますが、長い間地中で過ごし、最後に地上で成虫となり、その一生を終える展開があまりにドラマチックなため、変な付け足しはむしろ不要。事実をそのまま伝えることで、その凄みが際立ちます。

 それと同時に、作者であり、「群馬県立ぐんま昆虫の森」に務める筒井学さんの知識と、魅力を人に伝えるテクニック、そして何より「セミへの愛」を強く感じる、素敵な内容なんです。読んだあとはすっかり感動してしまいました。もちろん子供もすっかりお気に入り。買ってきた妻に「この絵本すごいわ」と話すと、「でしょ!」と熱っぽく購入の経緯を語ってくれました。

 気になった方、ぜひ読んでみてください。興味深くて面白いですよ。

 余談ですが、同じ作者でカマキリ版も出ているんです。実はインパクトではセミよりこっちの方が上。ただ、カマキリの人生が壮絶過ぎるんです。交尾中にオスがメスに食べられる…。聞いたことはあっても、実際にビジュアルで見ると衝撃です。これを読むと、ちょっと子供はビックリするんじゃないでしょうか。まず入りはセミの方がいいかなと思います。


平池アイコン(サイト用).gif平池由典(ひらいけ・よしのり) 映画部記者 兼 サイト事業部所属
 映画・DVDの取材を担当しています。“宇宙人が攻めてくる系”映画が大好物。趣味は競馬と映画鑑賞。当コーナーでは、競馬と映画を中心に自由につぶやいていきますので、良かったらご覧ください。

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