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【Vol.62】ユナイテッド・シネマとローソンの共同施策

映画部デスクの「映画興行あれこれ」

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【Vol.62】ユナイテッド・シネマとローソンの共同施策

2015年02月18日
 ユナイテッド・シネマ(UC)が、ローソン子会社のローソンHMVエンタテイメント(LHE)に買収されたことは昨年の映画業界において重要なトピックの一つだった。ローソングループの持つ様々な資産やノウハウが、映画興行とどのように融合し、相乗効果を発揮していくのか。関心は非常に高く、また社内でも議論が交わされているものと推測する。

 その結果といえるだろう。UCとLHEの共同案件が行われることになった。それは「EXILE TRIBE×ユナイテッド・シネマ新プロジェクト」という名称で、2月と3月に始動イベントが開催される。EXILE TRIBEのイベントを全国のUCとシネプレックス独占で実施するものだ。

 昨年8月に買収が発表された時、そのリリースに今後の施策として「LHEのネットワークを活用したライブビューイングやイベント、ミニライブ等による稼働率向上を図る」旨の文言があったのを思い出す。

 イベントは2月24日、3月3日の2回。2月は、新作ライブDVD&BDを先行上映。3月は、同DVD&BDの豪華版に収録されるライブ映像と、同日発売の新曲MVを上映する。両日ともUC豊洲にEXILE TRIBEメンバーが登壇(人選は未定)、生中継可能な劇場には豊洲の登壇部分を中継する。また、中継設備のない劇場には、EXILE TRIBEメンバーからのコメント映像を上映する。

 EXILE TRIBEは周知のとおり、ツアーを組めば完売。映画館でのライブビューイングも大人気で、全国津々浦々の劇場で完売するのが常だ。今回はライブを中継するものではないのか、料金は通常のライブビューイングの半額程度、全劇場で手頃な税込1800円に設定した。チケットはもちろん、ローソンチケットで販売。豊洲は両日とも完売。予定枚数に達して予約受付を終了したり、残りわずかだったりという劇場もある。

 先日、ゲートシティ大崎イーストタワー6Fに同居するUCとLHEを訪ねた。UCが昨年12月に同所に移転してきた。最近になって、両社間にあった壁が取り払われ、出入り口は共通に。両社の人たちがすぐに行き来できる社内レイアウトに変更されたという。

 また、LHEが配給し公開中の『中島みゆき「縁会2012~3 劇場版」』は、UCおよびシネプレックスにもブッキングされ、その好成績に貢献している。

 UCとLHEが一緒になって、どう進化を遂げるのか。その先はまだ見通せないが、その歩みが目に見えるようになってきた。3月には恵比寿にミニシアターが復活することもあり、両社への関心はますます高まることだろう。




松本 貴則(まつもと・たかのり)  映画部デスク 兼 月刊文化通信ジャーナル編集長

2000年、シネコン担当記者として入社。その後、配給会社などへも取材範囲を広げる。2011年から映画部デスク。2014年から月刊文化通信ジャーナル編集長を兼務。趣味は空手、サッカー、野球、スポーツ観戦、読書。




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