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WOWOW FILMS 青木竹彦氏 “クオリティを重視、常に追求”

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WOWOW FILMS 青木竹彦氏 “クオリティを重視、常に追求”

2015年09月16日

WOWOW FILMS ロゴ

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 07年公開の『犯人に告ぐ』から始まったWOWOWの映画製作レーベル「WOWOW FILMS」が、近年その存在感を増してきている。

 特に今年の飛躍は顕著で、興収13億円を超えた『予告犯』を筆頭に、『マエストロ!』『娚の一生』『愛を積むひと』と話題作を立て続けに公開。さらに、カンヌ国際映画祭では黒沢清監督の『岸辺の旅』がある視点部門で監督賞を受賞した。11月にはTBSとの共同製作『劇場版MOZU』の公開も控えている。

 オリジナリティに溢れ、クオリティの高さにも定評のあるWOWOW FIMSは、業界内でも独自のポジションを築きつつある。その映画制作を担うエンターテインメントビジネス局 エンターテインメントビジネス部長の青木竹彦氏に、WOWOWの映画作りのポイントを聞いた――。



WOWOW 青木竹彦氏

WOWOW青木氏.jpg
WOWOW中心で製作を


――まず、青木さんご自身のプロフィールを伺えますか。

青木 当初は音楽映像コンテンツの制作販売会社に勤務していました。ハリウッドメジャースタジオとの契約業務などを担当し、在籍していたのは9年ほどですね。

――その後に、WOWOWに転職されたのですか。

青木 いえ、WOWOWの100%子会社「サンセントシネマワークス」に入社しました。映画の製作から配給まで手がける会社で、98年秋に設立され、私は翌年の4月にそこに入社し、その後にWOWOWに移りました。

――映画プロデューサーとしてですか?

青木 そうです。正しくは「プロデューサーになっていくために」ということでの入社です。入社してすぐはキャスティングを担当しました。多くの企画が同時に動いている会社だったので、いきりなり5~6本を担当して大変でした(笑)。青山真治監督の『EUREKA』、石井聰亙(現:石井岳龍)監督の『五条霊戦期』、河瀬直美監督の『火垂』、緒方明監督の『独立少年合唱団』などを担当しました。

――そこで映画プロデューサーとしてのノウハウを培ったわけですね。そして07年に「WOWOW FILMS」が立ち上がったわけですが、この経緯は。

青木 現会長の和崎(信哉)から「WOWOWはこれだけの映画を放送しているし、映画を大切にしているテレビ局なのだから、ドラマだけでなく、映画に関しても中心的な立場で企画製作を行っていこう」との方針が示され、それから企画が具体的に進んでいきました。

――青木さんが当初から「WOWOW FILMS」をまとめる役割だったのでしょうか。

青木 そうですね。現在はエンターテインメントビジネス部(旧事業部)が映画制作を手掛けていますが、当時は社内の関連部門から担当者が参画するプロジェクトの形式で行っていました。私は制作局映画部のメンバーとして映画制作に携わっていました。


WOWOWラインナップ表.jpg監督の「この1本」目指す

――第1弾に『犯人に告ぐ』を選んだのはなぜですか。

青木 色々な候補がありましたが、『犯人に告ぐ』は大変原作に力があったことが大きいです。加えて、その頃は社会派サスペンスが劇場用映画として作られていなかったのですが、伝統的に傑作が生み出されているジャンルでもあるので、これは第一作目に相応しい企画になるだろうと考えて進めました。

――WOWOW FILMSとして制作する上で、何か決まった方針などはありますか。

青木 「なぜこれを映画で作るのか」ということはいつもテーマにしていますし、クオリティを最も重視し、常に追求しています。また、WOWOWが映画を作ることの独自性を伝えられるようにと考えています。これは企画を制限するということではなく、結果としてそういう共通性が出てくるように考えています。さらに、もう1つ重要であると考えているのは、その監督のフィルモグラフィーの中で、非常に意義のある1本、特別な位置を占める作品にしていくということです。例えば『岸辺の旅』は、共同幹事のアミューズさん、オフィス・シロウズさんと企画の初期から「黒沢監督に(新境地の)ラブストーリーを撮ってほしい」という指針はブレなかったですし、『パレード』は行定(勲)監督が手掛け、その後舞台化された時も演出を担当され、非常に重要な作品となりました。そういった「この1本」になることを目指して企画を立てています。

――現在、映画のプロデューサーは何人いらっしゃるのですか。

青木 映画担当のプロデュースチームとしては自分を含めて4人で動いています。


ハードな描写も大事に扱う

――映画化に向けて、原作はどのように選んでいるのですか。

青木 ジャンルの固定はしていません。小説やコミックはもちろん、海外の映画や日本の旧作のリメイクも含めて、色々と検討しています。1つ挙げるとすれば...

続きは「文化通信ジャーナル9月号」に掲載



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