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サーティースリーに太田勝也氏と奥村裕則氏入社、「第2章 開幕します」と久保田代表

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サーティースリーに太田勝也氏と奥村裕則氏入社、「第2章 開幕します」と久保田代表

2024年02月05日
 アニメーションや映画などエンタメ業界専門の総合マーケティングエージェンシーである株式会社サーティースリーに、太田勝也氏、奥村裕則氏が入社した。映像業界の宣伝で長く活躍する両氏が加わることで、同社は新たなステージへと駆け上がっていく。

 2021年1月の設立から丸3年が経過した同社は、アニメーションや実写映画の大型作品のプロモーションを多数手がけ、年々会社の規模を拡大し、急成長を遂げている。2023年には初めて正式な新卒採用活動を開始。オンライン説明会には約1000人が参加し、実際にエントリーがあったのは約500人。その中から5人の採用を決め、今年4月に入社する運びだ。3年前の会社設立時は約10人だったが、今年4月時点でスタッフの数は41人になる見込み。昨年ロサンゼルスに設立した米国法人(33 USA)にも約10人が所属しており、アニメ・映画宣伝の業界では屈指の規模に成長している。

 その同社が、元NBCユニバーサル・エンターテイメント ジャパンのアニメ宣伝グループでマネージャーを務め、数々のヒットアニメを世に届けてきた宣伝プロデューサーの太田氏を1月に、元スキップで実写映画の宣伝プロデュースやパブリシティ統括を務め、大ヒット作品に携わってきた奥村氏を2月に迎え入れ、組織も刷新した。従来からあるPR、ソーシャルメディアマーケティング、広告販促、クリエイティブの4部門に加え、宣伝プロデュース、営業の2部門を新設し、計6部門で構成する「マーケティング本部」を設置(下図参照)。マーケティング本部長には太田氏が就任し、宣伝プロデュース部門の部長に奥村氏が就いた。


33新組織図.jpg


 久保田光治代表取締役は「これまで、多くの困難や課題を乗り越えて組織作りに取り組んできました。太田氏、奥村氏、業界でも引く手あまたの二人が、『サーティースリーのビジョンと可能性に、人生を懸けて挑戦したい』と言ってくれたことに、大変嬉しく感謝すると同時に、今後業界に対してより多くの貢献ができるよう一層の努力をしていこうと心に誓いました」と語る。

 サーティースリーでは、組織を継続的に成長させ、生産性と成果を上げていくために、2023年から組織コンサルティングを導入し、1年がかりで組織作りを抜本から見直した。経営陣・幹部スタッフのトレーニングから始まり、人材育成、評価制度、ガバナンスなど、組織運営上の課題について徹底的に解決を図った。久保田氏は「会社立ち上げ当初から信念とスピード感を持って事業を推進してきましたが、規模が拡大するにつれ、多くの課題が浮き彫りになり、これからさらに成長スピードを上げていくためにも、潔くプロの力を借りようと組織コンサルティングを導入しました。大きな投資でしたが、結果としては大成功し、マネージャー陣を中心にスタッフがみるみる成果をあげ、見違えるほど良い組織になってきています。現在も継続的に取り組んでいます」と話す。
 多くの宣伝会社が悩みを抱えるように、例外なく同社も当初は離職率が高かったというが、「導入してから1年間で退職を志願したのは1人のみで、社員の成長速度も格段に増しています」と説明する。コンサル導入後の新たな取り組みの一例として、社員個々の役割定義をはっきり設定し、何をすれば給与がアップするのかといった評価制度も明確化、プロセス評価を極限まで削り、結果点を数値で表すようにした。その結果、社員それぞれが自身のすべき任務への集中度が増し、成長のスピードがアップ。自ずと仕事の成果があがりはじめ、評価に直結し、離職率の低下にもつながったという。

 こういった組織の整備を経て、既存サービスの質のさらなる向上と、新たな領域にサービスを拡充させるために太田氏と奥村氏が加入する形となった。奥村氏は宣伝プロデュース部門のマネージメントと実務を担い、得意としている実写映画の宣伝に加えて、アニメーションにも挑戦し、若手宣伝プロデューサーの育成も手掛けていく。また、マーケティング本部長に就いた太田氏はサービス部門全体を統括し、サービスの品質向上にも努めていく。アニメーションに強い太田氏と実写映画に強い奥村氏が、双方の強みやノウハウを共有し合うといったメリットも見込まれる。

久保田氏.jpg
久保田代表取締役

 日本本社の体制が整ったことで、次は昨年ロサンゼルスで立ち上げた米国法人「33 USA」の事業の加速にも着手する。久保田氏は「名だたる大手の先輩方でも『米国法人を軌道に乗せるのは一筋縄にはいかない』と話されている中で、新興の我々がやすやすと成功させられるとは思っていません。24年からは、私と共同代表である田中(慎太郎)が現地入りして経営体制を刷新し、意思決定のスピードを上げ事業成長に取り組んでいきます」と説明する。すでに日本のアニメーション大作など15プロジェクト以上のグローバルプロモーションに携わることが決まっており(1月末時点)、両代表による新体制のもとサービス基盤をさらに強化していく考えだ。

 昨年12月には、月間PV数が2億にのぼる世界最大級の日本アニメ・マンガのコミュニティ&データベースを運営するMyAnimelistと業務提携し、ファンコミュニティとビッグデータを活用した戦略マーケティングも可能となった。久保田氏は「ここからサーティースリーの第2章が開幕します。クライアントの皆様から託していただいた大切な作品を、世界中に届けていくため、グループ従業員一同、バイブス満タンで鋭意努力していきます」と新体制の始まりへ意気込みを示す。着々と必要なピースを埋め、目標とするグローバルのマーケティングエージェンシーへの道を進む同社への期待は高まるばかりだ。(終)


取材・文 平池由典

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