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西崎義展氏「お別れの会」しめやかに執り行う

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西崎義展氏「お別れの会」しめやかに執り行う

2010年12月10日
【代表取締役社長:指田洋】:毎週金曜日更新

 11月7日汽船YAMATOから転落、不慮の死をとげた、「宇宙戦艦ヤマト」のプロデューサー 故・西崎義展氏の「お別れの会」が12月10日午前、東京都青山葬儀所でしめやかに執り行われた。

 当日は、旧作「宇宙戦艦ヤマト」の権利を保有する(株)東北新社の林田洋会長や二宮清隆同副社長、新作「宇宙戦艦ヤマト」のプロデューサー、中沢敏明セディックインターナショナル社長夫妻ら業界関係者200名余が参列し献花したが、どこかものがなしい式典だった。

 私は西崎氏とは3度取材で会っているが、“夢”を熱く語るロマンティストの反面、どこか詐欺師的な胡くささがあったことが、この寂しさにつながったのであろうか。

 西崎氏は、「ヤマト」をはじめ「海のトリトン」「宇宙空母ブルーノア」などアニメのプロデューサーとして知られるが、生前、実写映画の製作にも強い意欲を示していた。「さらば宇宙戦艦ヤマト」が大ヒットした後に、当時東映プロデューサーだった吉田達氏が西崎氏のオフィスに出向して、大藪春彦原作の「汚れた英雄」の映画化にトライしたが、実現せず、その後、「汚れた~」は角川春樹プロデューサーによって製作された。西崎氏はその翌年、吉田喜重監督、前田勝弘(故人)プロデューサーらをメインスタッフに、江戸初期・伊達藩キリシタン武士による“旅”を描く「侍イン・メキシコ」を企画、しかし、スタッフがメキシコへ訪れる直前、メキシコの政変が起きて頓挫している。その後、西崎氏は自らの会社(オフィス・アカデミー/ウェスト・ケープ・コーポレーション)とは別に、松竹、バンダイ、徳間書店、日本コロムビア他を株主にジャパン・オーディオ・ビジュアル・ネットワーク(JAVN)を設立し、本田美奈子主演の「パッセンジャー」を製作、クリーンヒットを飛ばし、その勢いで「宇宙戦艦ヤマト」ハリウッド実写映画化構想をぶち上げたりもした。実際に「スター・ウォーズ」のスタッフだったシド・ミード氏に“ヤマト”のデザインを依頼、熱く語る西崎氏の姿が印象的だった。

 今回、アニメと実写版原作(「SPACE BATTLESHIPヤマト」)で10数年ぶりに“復活”を果たしたわけだが、養子である西崎彰司氏は「海が好きだった父が父島・二見港で亡くなったことは本意だったことでしょう。(エナジオとしては)今後も愛される作品を作っていきたい」と挨拶している。

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