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東京学生映画祭、実写部門は東京造形大作品が2冠

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東京学生映画祭、実写部門は東京造形大作品が2冠

2011年06月09日

 関東最大級の学生映画コンペティション「第23回 東京学生映画祭」が5月27日~29日、東京・世田谷区の北沢タウンホールで行われ、実写部門は東京造形大学・古地良子監督の「デリバリーファッションヘルス」がグランプリと観客賞の2冠に輝いた。アニメーション部門のグランプリは該当なしだった。

 過去に中村義洋監督、青山真治監督らを輩出し、昨年のグランプリ・田崎恵美監督はカンヌ国際映画祭に進出するなど、学生運営ながら業界の信頼も厚い同映画祭。今年は、実写・アニメ両部門に東京近郊の44校(41団体、14個人)から全106作品がエントリー。予選を通過した実写9作品、アニメ7作品が上映された。

 実写部門で2冠を制した「デリバリー~」は、心と体が入れ替わってしまった男女ら6人による61分の群像劇。人間のコンプレックスを捉えた、個性あふれるキャラクター演出が評価された。ゲスト審査員の大森立嗣監督は「人間を描く姿勢に好感が持てた」と講評。古地監督は、授賞式で「スタッフや役者に感謝したい」と喜びの涙を浮かべた。

 今年が2年目となったアニメ部門は、残念ながらグランプリが出なかったが、審査員を務めた新海誠監督とヤマサキオサム監督の協議により急きょ審査員特別賞が設けられ、東京工芸大学・川上大輔監督の短編「Vanishing」が受賞した。

 ほかに、実写部門の準グランプリが東京芸術大学・山口直哉監督の「死神」、アニメ部門の観客賞が多摩美術大学・鈴木藍監督の「おにぎり」。ホリプロが支援する役者賞には、日大芸術学部・伊藤剣監督「うそのなみだ」に主演した山田拓実さんが選出された。

 “「撮りたい」を、みせたい。”をテーマに、映画やアニメに熱い学生たちが集った3日間。当日券が売り切れる盛況ぶりで、会期中には海外学生映画も特集された。今年受賞した監督たちもまた、海を越えて活躍してくれそうだ。


「第23回 東京学生映画祭」コンペティション上映・結果一覧

◎実写部門
「デリバリーファッションヘルス」古地良子/東京造形大学 映画研究会 =グランプリ、観客賞
「死神」山口直哉/東京芸術大学 『死神』製作委員会 =準グランプリ
「家出親父と3匹のどら猫」武井賢人/東京造形大学 映画研究会
「うそのなみだ」伊藤剣/日本大学芸術学部 すーぱーのヴ(ひらがな)ぁ=役者賞(山田拓実)
「涙、君へおくる」佐々木洸介/青山学院大学 AMUSS
「パニック・コミック」奥山由之/慶応義塾大学 CRANK PLAN
「大怪獣シュラメック」高階匠/早稲田大学 映画研究会
「宇宙のスクリーン」落合萌/成城大学 映画研究部
「INVASION」井上陽子/東京大学

◎アニメーション部門
「Vanishing」川上大輔/東京工芸大学=審査員特別賞
「おにぎり」鈴木藍/多摩美術大学=観客賞
「流転 ‐routine‐」坂野友軌/武蔵野美術大学 映画研究会 MUSA☆CINE
「せいぎのみかたアホアホくん」山口直哉/東京芸術大学
「脳内兀庵襍(ノウナイメドレー)」山口直哉/東京芸術大学
「再生と再認」吉田友樹/法政大学フィルムメイキングクラブ
「Fried egg」川上大輔/東京工芸大学

 

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。

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