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チャンス イン、酒匂暢彦代表取締役に聞く!

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チャンス イン、酒匂暢彦代表取締役に聞く!

2011年08月26日

なぜ、いま養成学校「PRODUCER’S LABO」を開校するのか―!?
  最短距離で業界の事を教え、ブレイクスルー出来る人材を発掘する


 コンテンツビジネス界で活躍できる即戦力を育てる養成学校「PRODUCER'S LABO」が、10月に新たに開校する。同ラボのセンター・プレジデントを務める、元クロックワークス代表取締役で、現在チャンス イン代表取締役の酒匂暢彦氏に開校の経緯や狙い、さらに今後の事業展開などについて聞いた―。(インタビュー:和田隆)


 ―なぜ、いま養成学校「PRODUCER’S LABO」を10月に開校するのですか。

トップ.JPG酒匂
 映像系の学校は今もの凄く増えてますよね。私自身、講師をお願いされることも多くて、いろんなところで教えたりしているのですが、さらっと概論しかお話しできなくて少し消化不良に感じていました。実は映画を作ったり、宣伝したり、買い付けたりというのは、もっと学ばなくてはいけないことがあります。最初にちゃんとそれを教えてあげられればいいんですけど、業界の状況とか、クロックワークスの成り立ちとか、どうやったら映画を当てられるかとか、そういう各論を依頼されることが多いので、もうちょっとストレートに学ぶべきことを簡潔にわかりやすく実例をもって教えてあげたいなと以前から思っていたのです。
 結構、受講料ってそれなりにかかるじゃないですか。「PRODUCER’S LABO」の受講料(入所金:9万8000円(税込)/受講料《月額》:3万円(税込)=【教材費、実習費、保険代含む】)は若干良心的に設定したつもりなんですけど、それでもちゃんと頂くからには、引いては自分たちのためになるというか、いい人材にこの業界に来てもらわないと、いい業界にならないというところがスタートですね。


 ―以前から本ラボのプランを練っていたのですか。

酒匂
 プランがあったわけではなくて、自分だったらこうするなあみたいなものは、やはりゲストで呼ばれると、その都度思っていたんですよね。でも、普通はそう思っているだけじゃ学校をやろうとはならないじゃないですか。たまたま、四谷で声優養成所を運営されているラムズさんから場所が空いているというお話があったのです。その前にラムズさんがいろんな展開をするのに、例えば中国で声優学校作ったらどうだろうというアイデアを投げかけていたんですよ。
 知人を介し、中国のファンドを扱っている会社のコンサルタントをやっている人に紹介され、そういう提案をしたんですけど、ファンドの金額にしてはビジネスの規模が小さいので成立しなかったんですね。それで逆に、そこからラムズの鹿志村(聡・代表取締役)さんから映画のことを教えて下さいと言われ、じゃあやってみましょうかと。この話が出たのは今年の3月か4月くらい。本格的に10月開校までにどこまで準備出来るのかというのは、ちょっと準備不足のところはあると思うんですけど、とはいえスタートを設定しないと物事は動いていかないので、一応10月からは体制を整えてやろうとなりました。


洋画買付け体験ツアー、英会話レッスンなども

 ―他の映像系学校との違いは。

酒匂
 そうですね、例えば洋画買付け体験ツアーがあるなど、実践主義なところでしょうか。買付けってどういうことですか? という質問を、生徒さんに限らず、銀行さんであったり業界外の方から受けることが多いので、だったら連れて行ってしまった方が早いだろうと。買付けはこういう雰囲気で行われていて、実際に経費はこれくらいかかって、どんな映画がマーケットにかかっていて、その作品がいくらで、それが買える、買えない、よその会社が何を買って、結果日本に持ってきて成功したのか、しないのかという過程があるわけですが、もう行った方が早いなと(笑)。
 邦画だろうが洋画だろうが、海外映画祭のマーケットの試写では、ダメな映画だとバアーっとみんな出ていってしまう。いい映画には最後まで残るし、最初入れないと思ったら始まった途端みんなすぐに出て行ってしまうし、最初の試写では少なかった映画も話題が広がると、マーケット後半は入りきれなくなる、そういうダイナミズムを教えたいですよね。では契約書ってどういう風に契約するのかとか、英語って言っても必要な英語って凄く限られていたりするんですよ。英会話のスペシャルなスキルがあった方がいいですけど、それ以前にMG(ミニマム・ギャランティ)とはどういうことかとか、そういうことを今まで自分が体験してきたことをベースに教えられれば、最短距離で業界の事を知ることができるのではないかと考えたのです。


 ―なるほど。実際にチャンス インで買付けを行うということですか。

酒匂
 現実的には、どの程度洋画買付け体験ツアーへの希望があるのかというのをヒヤリングしてから、どういうチームで行こうかというのは考えていきたいと思っています。


第一線で活躍する講師陣揃う

 ―各コースの講師陣は酒匂さんの人脈ですね。

酒匂
 私自身と、今回賛同してくれた方にご紹介頂いたりとか、まあ、ほとんど以前一緒に仕事をした方が多いですね。お世話になった人の中で賛同して頂いて、尚且つ製作・配給・宣伝に実績はあるし、プロデューサー的視点を持っている人、あるいは経験を持っている人、そういう人を軸にお願いしているつもりです。実践主義の素晴らしいスタッフを揃えることが出来ました。スペシャル・コーチには別所哲也さんと、浅野忠信さんも協力して頂き、「CUBE」などのヴィンチェンゾ・ナタリ監督など、海外のプロデューサーや監督も日本にいらっしゃる機会があれば、特別講師みたいなことを企画ではしてみたいと思っています。


 ―講師陣の働く現場に連れて行くこともありますか。

酒匂
 まだ具体的なことは固まっていないのですが、皆さんそれなりに業界で成功されているということは、いろいろアイデアもあるし、いろんな期待も持ってらっしゃるので、いろいろトライはしていきたいですね。10月に開校する直前くらいから通常の授業のパターンとは違う実践主義的に、それがインターンなのか、いろんなアイデアは皆さんから頂いているので、実験が出来る場にもしていきたい。概論的なところからベーシックなところは私が講義することになると思います。

▼CENTER PRESIDENT:酒匂暢彦(チャンス イン代表)

▼講師陣
▽製作プロデューサーコース
 ・佐倉寛二郎(クロスメディア代表)
 ・小椋悟(小椋悟事務所代表)
 ・大橋孝史(ジョリー・ロジャー代表)

▽宣伝プロデューサーコース
 ・竹内伸治(フリー)
 ・小西啓介(ファントム・フィルム代表)
 ・木村徳永(キコリ代表)

▽クリエイターコース
 ・森岡利行(監督)
 ・高橋栄樹(監督)
 ・寺内康太郎(監督)

▼スペシャルコーチ
 ・浅野忠信
 ・別所哲也

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