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インタビュー:(株)GyaO川邊健太郎社長

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インタビュー:(株)GyaO川邊健太郎社長

2012年01月23日

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映像配信サイト「GyaO!」2011年を総括

 テレビ局のPR活用が大きく前進  


 ヤフー子会社で映像配信サイトを運営する(株)GyaO。2009年に旧「GyaO」と「Yahoo!動画」を統合させる形で新生「GyaO!」にリニューアルし、実質初年度の2010年度で通期黒字を達成した。同社のビジョンは、広告主・権利元・パートナーとの協業を通じて、「映像」(≠違法動画)の力でネット社会に新たな価値を提供すること。2011年はそれが大きく前進した年だったという。今後の展望を含め、GyaOの川邊健太郎社長=写真=に話を聞いた――。











視聴率に好影響との分析も

 ――2011年を総括すると、どういった1年でしたか。

 川邊社長(以下、川邊)
 09年9月に新生「GyaO!」になり、自主制作をやめ、日本の映像コンテンツのメインプレイヤーであるテレビ局さんと向き合い、正規のものを仕入れてビジネスにしていく方針としましたが、それが2011年は無料サイトの「GyaO!」も有料サイトの「GyaO!ストア」も充実した1年でした。
 「GyaO!ストア」は、各社のドラマが安定して供給されるようになり、10月クールで言うと、「家政婦のミタ」(日テレ)が韓流ドラマ含めて一番売れました。8月には映画が公開されるのに合わせ「モテキ」(テレ東)の連続ドラマを全話配信したところ、大変多くの方に見て頂き、無料期間終わって有料に戻しても、以前より多く見られました。作品としての評価が高かった「鈴木先生」(テレ東)では、最初の3話を無料にして以降有料にするという新しいモデルができました。
 そんな中で4月にNHKさんによる「ドキてれ」というカテゴリーを開始しました(12月末で終了)。5分尺のミニ番組を沢山出して頂きまして、これがもの凄く見られました。11月には月間1千万ストリームを達成しています。


 ――「ドキてれ」の人気の要因は何でしょうか。

 川邊 やはり「ドキテレ」として、「アニメ」や「ドラマ」と並ぶ1つのカテゴリーを作ったことが大きいですね

 半田英智営業部長(以下、半田) それに加え、NHKさんはコンテンツホルダーとして、どういうコンテンツを出せば「GyaO!」の編集担当が好んでトップページで取り上げるのか、さらには「Yahoo!JAPAN」トップページの「Yahoo!映像トピックス」の編集傾向などを分析して、どうすれば取り上げられるのかを試行錯誤して、右肩上がりとなりました。

 川邊 視聴率に影響を与えたのではないかというコンテンツも出てきたと聞いています。

 半田 4月から放送されている韓国ドラマ「イ・サン」「トンイ」の映像を、6月から「ドキてれ」で配信したのですが、視聴率の推移を見ていると4~5月は調子が悪かった一方で、6月以降グンと上がったということです。視聴回帰がきちんとされていると評価されています。11月には「セカンドバージン」を1話5分尺にして一挙配信した際、深夜に再放送されていましたが、こちらにも視聴回帰がかなりあったと聞いています。そうしたことから、NHKの番組制作プロデューサーの方々が、自分の担当番組を5分尺にして「ドキてれ」で出したいという要望もあったそうです。


 ――NHKは「YouTube」の公式チャンネルでも短尺に編集した映像を配信していますよね。

 川邊 他にも色々なところに映像を出しているようですが、それらとは別に「GyaO!」向けに編集して出して頂いているようです。「ドキてれ」に限らず、良いコンテンツに関して「GyaO!」は人の手によってフィーチャーしますし、「Yahoo!JAPAN」のトップでも誘導しますので、きちんと見られます。かたや「YouTube」は、どうしても自社チャンネルの中に動画が格納されてしまい、システマチックにお勧めコンテンツが表示されますよね。こうした構造の違いがだいぶ鮮明になってきたという気がしています。


 ――「GyaO!」の作業の丁寧さが表れてきたということですね。

 川邊 新生「GyaO!」として意識していたところなので、それがコンテンツプロバイダーの皆さんに理解して頂けた1年でした。民放キー局の「YouTube」公式チャンネルが出揃いましたが、コンテンツを充実させてもそこへの誘導が無く、これでは自社のホームページと変わらないという課題意識が生まれてくると思います。そこで、実際の効果は「GyaO!」の方があるということが、今後伝わっていくのではないかとみています。


 ――テレビ局における“動画配信”と言えば、これまでは有料課金で地上波の視聴に影響が出ないようにすることを念頭に取り組んできた部分が強かったと思いますが、プロモーションツールとしてどのように活用していくのかという意識が、この1年で大きくなってきたのですね。

 川邊 テレビ放送の補完としてやっていくのが「GyaO!」の使命です。今後もお互いにビジネスを伸ばしていきたいと思っています。

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