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トップインタビュー:ポニーキャニオン 桐畑敏春代表取締役社長 (第一回)

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トップインタビュー:ポニーキャニオン 桐畑敏春代表取締役社長 (第一回)

2012年07月02日

桐畑敏春社長1.jpg


 この夏ポニーキャニオンは、チャン・グンソク主演、ユン・ソクホ監督(『冬のソナタ』)による話題の韓国ドラマ『ラブレイン』をDVD&ブルーレイ(以下、BD)リリースする。5月に開催した韓流ドラマコンベンションで「勝負作」と位置づけた同作に業界の期待も高まるが、同社はこの他にも映画、アニメ、ドラマ、音楽の各ジャンルで強力タイトルの発売を控えている。各作品について、桐畑敏春代表取締役社長(=写真)に語ってもらうとともに、2月に行った組織改編と、先日(6月18日)の役員人事等も踏まえて、現在の組織概要と今後の戦略を聞いた。

 なお、このインタビューは3回に渡って掲載。第一回となる今回は「今期のラインナップ」、第二回は「組織概要と今後の戦略」(7月9日アップ予定)、第三回は「JVA会長の立場での視点」(7月16日アップ予定)について、それぞれ聞いていく――。



ポニーキャニオン 今期のラインナップ


★「ラブレイン」.gif――今年も韓国ドラマを続々とリリースされますが、その中でも『ラブレイン』は目玉ですね。韓国ドラマの1話あたりの日本最高額で契約されたそうですが、期待のほどは。

桐畑敏春社長(以下、桐畑) 主演がチャン・グンソクと少女時代のユナ、監督が『冬のソナタ』のユン・ソクホと、特に日本で人気のある3人なので大いに期待しています。5月のコンベンションでも評判は良かったので楽しみです。ソクホ監督はドラマの作りが日本的。韓国ドラマは展開が早いものが多いのですが、ソクホ監督の作品は丁寧で映像も綺麗なので、日本人の感覚に合っているのではないでしょうか。

――ポニーキャニオン発売の韓国ドラマと言えば『朱蒙(チュモン)』が代表的ですが、目指すはその上でしょうか。

桐畑 『朱蒙』は時代劇で81話あります。一方の『ラブレイン』は現代劇で21話。お客さんも『朱蒙』はシニア層を中心に幅広い層でしたが、『ラブレイン』はもっと若い人がターゲットになると思うので、単純に比較はできないのですが、日本のドラマ的なのは『ラブレイン』ですし、口コミで広がった『朱蒙』とは違い、今回は瞬発力があると思います。

桐畑敏春社長3.jpg――韓国の視聴率は伸び悩んだようですが。

桐畑 日本的であるのが、本国で敬遠された理由かもしれません。でも、実はあまり心配していないのです。かつて日本で大ヒットとなった『冬ソナ』も韓国では苦戦しました。そう考えると、今回も大丈夫だと思っています。

――撮影は日本でも行われたそうですね。

桐畑 北海道の富良野で撮影されました。私も現場に行きましたが、監督は、雪が朝日に反射して輝く「ダイヤモンドダスト」を撮りたかったそうです。そのシーンは韓国国内では撮ることができないそうで、富良野で撮影したいとのことでした。日本のマーケットへの意識もあったかもしれませんが(笑)。

――フジテレビ、電通と3社で宣伝するそうですが、今後の展開は。

桐畑 両社にも出資頂きました。電通さんも交えて、3社で韓国ドラマを展開するのは初めてのことです。今後は、地上波で7月下旬から放送し、宣伝もその辺りがピークを迎えると思います。パッケージはその一ヵ月後の8月24日より発売開始します。

――『ラブレイン』以外の韓国ドラマはいかがですか。

桐畑 たくさんあるのですが、9月に発売する『根の深い木‐世宗大王の誓い‐』や、冬にリリース予定の『ファッション王』は特に大きなタイトルです。


映画はビッグタイトル目白押し

★「ライアーゲーム-再生」.gif――映画作品も大ヒットが期待できる作品がたくさん控えていますね。

桐畑 当社関連作品として、7月13日劇場公開の『BRAVE HEARTS 海猿』(東宝配給)と、9月7日公開の『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(東宝配給)は大きなタイトルですね。さらに洋画では10月20日公開の『エクスペンダブルズ2』(ポニーキャニオン・松竹共同配給)が控えています。『エクスペンダブルズ2』は前作が大ヒットしました。私が思うに、ああいったストレートなアクションにお客さんは飢えていたのではないでしょうか。『2』の予告編を観ましたが、『1』よりもスケールが大きくなって楽しみですよ。あと、パッケージの発売が決まった作品では、興収21億円のヒットとなった『ライアーゲーム‐再生‐』があります。

――アニメやドラマでもビッグタイトルが多いですね。

★「けいおん」.gif桐畑 アニメは、7月18日に『映画 けいおん!』のDVD・BDを発売します。興収は19億円まで行きました。期待はしていましたが、上映館数を絞っていたので、ここまで行くとは想定していなかったです。TVシリーズを中心とした関連のDVD・BDは、これまでに累計で125万本を出荷しており、映画版には更に大きな期待をしています。『けいおん』シリーズの他にも、『織田信奈の野望』や『ゆるゆり♪♪』、劇場版『フェアリーテイル』などが控えています。
 また、ドラマでは今年石原プロさんの作品を続々と発売していきます。すでに2月より『西部警察』をリリースしていますが、熱狂的なファンの支持を受けて、想定の1・5倍の売上となり、非常に好調です。私も放送当時あのドラマを観ていましたが、今はああいうドラマを作れないですね。大量の火薬を使って、首都高速を閉鎖して、よくあんなスケールの大きい作品を作ったなと思います。石原プロさんの作品以外では、フジの月9ドラマ『鍵のかかった部屋』にも期待しています。

――音楽作品では、どの作品が目玉でしょうか。

桐畑 5月30日に発売したチャン・グンソクの1stアルバムを発売し、オリコンチャートで1位となりました。さらに、6月20日にaikoの通算10枚目のオリジナルアルバムを発売し、これもお陰様でオリコンチャート1位を獲得できました。


第二回「組織概要と今後の戦略」につづく。




桐畑社長(プロフィール).jpg桐畑 敏春 (きりはた としはる)

【生年月日】昭和21年(1946年)5月5日
【出身地】滋賀県
【学 歴】1969年3月立命館大学経済学部卒業
【職 歴】
1970年3月 (株)ポニーキャニオン入社
1996年10月 同 取締役 第2営業部長
2001年6月 同 常務取締役 経営情報本部長
2004年4月 同 常務取締役 経営管理本部長 兼 営業本部長、関連会社担当
2005年6月 同 代表取締役社長

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