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映連「2013年 新年記者発表会」、各社社長挨拶

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映連「2013年 新年記者発表会」、各社社長挨拶

2013年02月22日

企画・製作した作品も非常に収穫があった

★島谷能成・東宝社長
P1210880 - コピー.JPG まずは製作・配給だが、12年は我々にとって大変充実した一年になった。年間興収は741億3千万円となって、歴代2位の記録になり、大変うれしい数字。我々の映画を愛してくれたお客様、劇場関係の皆様、ご支援くださったマスコミの皆様にこの場をお借りして改めて御礼を申し上げる。全部で34本という大変多い数を配給した。一本一本が単独の製作ではなく、共同製作になっていて、共同製作に関わった会社を単純に足すと、34本で延べ448社。この皆さんと一年間汗をかいた結果ということ。製作に関わられた全ての皆様に同じように御礼を申し上げたい。

 昨年は、『BRAVE HEARTS 海猿』と『踊る大捜査線THE FINAL 新たなる希望』の2本が大黒柱ということで、期待通りの成績をあげてくれた。それに加え『テルマエ・ロマエ』が、老若男女、国民映画という言い方があるが、まるで国民コメディのような広がりを見せて大いに興行界を湧かせてくれた。この3本が昨年の非常に大きな山を作った最大の要因だと思う。またそれに加え、日本テレビさんとご一緒させて頂いたオリジナルアニメの『おおかみこどもの雨と雪』は、今後の日本のアニメ界を担う細田守監督が大きくブレイクしてくれたということで、大変大きな意味があった作品だと思う。

 これらに加え、我々のラインナップのレギュラー陣である、小学館さんとのアニメーション、『ドラえもん』、『名探偵コナン』、『ポケットモンスター』とそれぞれ安定した成績を残してくれた。これも昨年の一年の成績に貢献した非常に大きな要因だと思う。中でも『ドラえもん』は06年にキャストを一新して新シリーズになったが、新シリーズの最高興収を上げることが出来た。まさに春を呼んでくれたという風に思っている。
 それに加えてTBSさんとご一緒した、ドラマの映画化『SPEC~天~』や、アスミック・エースさんも加わった『のぼうの城』、さらに日本テレビさんと小学館さんと一緒にやってきた『ALWAYS 三丁目の夕日‘64』が、それぞれ認められてヒットし、大変いい成績につながった。

 34本中、我々は29本の作品に製作出資し、製作参加をしたが、その中でも自分たちで企画をして製作した作品も非常に収穫のあった一年だった。『僕等がいた』という青春映画が、前後篇合わせて42億円強の興収を上げることが出来た。また、高倉健さん、降旗康男監督による『あなたへ』、それから『悪の教典』も非常に大きな数字をあげることが出来た。それぞれ30代の若手プロデューサーが、自分で作品を引っ張って、作り、公開し、当てることが出来た。非常に力が付いてきているなと思って楽しみにしている。

今年はスタジオジブリさんの年と言ってもいい

 2013年のラインナップだが、今年はスタジオジブリさんの年と言ってもいいのではないか。ご承知の通り、宮崎駿監督の『風立ちぬ』、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』、この2本が揃う。両監督の作品が揃うのは、『となりのトトロ』『火垂るの墓』の2本立て以来25年ぶりのこと。なかでも高畑監督は99年7月の『となりの山田くん』以来14年ぶりの作品ということで、大変力が入っている。この2本が、我々だけでなく、日本中の映画ファン、あるいは世界の映画ファンが注目する2本になるのではないか。鈴木敏夫プロデューサーによると、2本共に順調に遅れているということで、ただただ予定通り出来上がってくれることを祈る毎日。

 その他の作品では、『ストロベリーナイト』が現在公開中。福山雅治さんの「ガリレオ」が返ってきた『真夏の方程式』、さらに『謎解きはディナーの後で』、三谷幸喜さんの新作コメディ『清州会議』ではどういう笑いを見せてくれるのか楽しみ。それからTBSさんとご一緒する『図書館戦争』、ドラマの映画化『ATARU』、『SPEC~結~』、日本テレビさんとは『ガッチャマン』、『謝罪の王様』、テレビ朝日さんとは開局55周年記念作品『少年H』などが決まっている。

 我々の自社製作は、『プラチナデータ』、『だいじょうぶ3組』、『県庁おもてなし課』、『奇跡のリンゴ』、『陽だまりの彼女』、『永遠の0』の全部で6本が決まっており、それぞれ完成に近づいている。
 もちろんアニメシリーズも健在で、『ドラえもん』、『クレヨンしんちゃん』、『名探偵コナン』、『ポケモン』は、それぞれの製作委員会の皆さんが新しい発想で制作に取り組んでいる。配給本数は29本となり、昨年よりも5本減ることになりそう。以上、製作配給の今年の見通し。

興行の成否を決める夏に期待作

 続いて、我々の興行部門、TOHOシネマズについて。昨年は、一昨年の大変落ち込んだところから回復の兆しが本当に見えてきた一年だった。数字もさることながら、映画を観たいというお客様の気持ちも回復してきたという風に思えるような一年の足取りで、その中でTOHOシネマズは、年間全国興収の前年比が、全体の107・7%よりもやや高い、112%くらいの興収をあげることができた。

 全国平均よりもちょっと良かったというのは理由があって、渋谷と、博多にある天神地区に2サイトを資源を投入してシネコン仕様にし、増館効果をもたらせてくれた。それからTOHOシネマズは、ロードショー地域に多く展開しており、ロードショー地域で非常に強い作品が多かった。今公開中の『レ・ミゼラブル』.、洋画だと『最強のふたり』、ティ・ジョイさん配給になった『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(カラー共同配給)などもその中の作品。非常に恩恵を頂いた。
 それとODS、ライブビューイングが非常に興収を伸ばしてきた。実際に平均単価を見ると、11年が1297円だったが、昨年は1303円と6円増になった。この大きな要因は、ODS、ライブビューイングの単価増によるものではないかと思われる。

 さて、今年は洋画の方でもポテンシャルの高い作品が多くて、今年に期待する声は非常に強い。昨年の1月との対比だと、TOHOシネマズでは『レ・ミゼラブル』の好調と、『テッド』の本当にびっくりするようなヒットで、前年同月比130%くらいで推移。幸先のいいスタートを切れている。ただ、興行の成否を決めるのは夏ということで、夏に期待作がいっぱい並んでいる。夏までを順調な流れでつないで、そこに洋画の大ヒット作が上手く加わって来れば、昨年以上の成績も望めるのではないか。

 それから増閉館だが、我々は博多の天神が増館、同じく福岡市に福津で新館をオープンした。ただ、久山地区の閉館があったので、都合サイト数は変わらずスクリーン数は1減。今後は、今年建て替えを含めて新館は2館を予定。決まっているところだと、来年3月にTOHOシネマズ日本橋、9スクリーン、約1800席。さらに15年5月にTOHOシネマズ新宿、これが12スクリーン、約2500席の予定。

※岡田裕介・東映社長の挨拶は次のページへ


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