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トップインタビュー:ウィリアム・アイアトン ワーナー エンターテイメント ジャパン社長

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トップインタビュー:ウィリアム・アイアトン ワーナー エンターテイメント ジャパン社長

2007年11月07日
売上500億円のうちビデオ200億

本誌 DVDに関しては、どう見ていますか。

アイアトン 今はただ、スタンダードDVDの市場が伸びていませんからね。

本誌 スタンダードDVDというのは。

アイアトン HD(ハイ・ディフィニション)ではないほうの普通のDVDのことです。逆に多少下がっている傾向が出ている。これからブルーレイにしろ、HDにしろ、新たなメディアが出てきています。ここが、注目の的なのですが。ただ今までは、DVDが出たときはライブラリーを作り直す。つまり、VHSであったライブラリーをDVD化するというわかりやすい形だった。しかし、今度HDかブルーレイが出たからといって、今までのスタンダードを捨てるというのはあまり考えられない。まあ今後は、HDとかブルーレイのほうは、どちらかの選択肢があれば、そちらを買おうと思うのですよね。しかし、今までのライブラリーのものを、全部買い換えることはしない。

本誌 全く、そのとおりだと思います。どれを買っていいかわからないし、そもそも今までのものとどれほど違いがあるのか。

アイアトン あとは、先ほど言ったネット配信ですね。VODのディールは、結構うちでは活発にやっています。デジタル・ディストリビューションという部署でやっているのですが。売上的には、まだ全体の5%ほどですが、これを将来的には15%ほどにもっていきたいと考えています。

本誌 そもそもワーナーのジャパンでは、全体の売上はどれぐらいなんですか。

アイアトン 500億円ぐらいですね。劇場部門は、興収計算ではなくて配収計算ですよ。だから、劇場が120~130億円。ビデオが200億円。あとは、テレビが100億円ぐらいですかね。ライセンス部門が固くて、10億円ぐらい。まあ、だいたい450~500億円ぐらいですね。



隣接産業に進出

本誌 各部のバランスみたいなものは、どうですか。この部署の数字をもっと上げたいとか。全体を上げなくてはいけないとか。

アイアトン 1000億円にもっていきたいとか、そういうことですか(笑)。現実論として、映画もビデオもテレビも、全部成熟したマーケットですよね。中国、インドのように伸びているわけではない。食い合いをしているわけです。そういうシチュエーションですから、売上全体が伸びていくことは、なかなか難しい。だから、ゲームなどとリンクすべきかなと。ゲームは、少なくとも伸びていますからね。最近、ワーナーも映画化した作品をゲーム化して出すようになりましたからね。ワーナー エンターテイメント ジャパンをどう伸ばしていくかということになりますと、やはり隣接している産業に手を出していくしかないなという気はするのです。

本誌 著作権を自社でもって、ゲームの開発までやるということですか。

アイアトン ゲームついては、バーバンクといろいろ策を練っているところです。まだ初期段階ですが。

本誌 「ハリー・ポッター」などは、日本でもゲームが出ていますよね。

アイアトン あれは、向うのほうでライセンスしてしまったものです。あと今後で考えているのは、テレビのコンテンツですね。テレビ局のほうも、最近はアメリカ式になりかけているようで、第三者にコンテンツ、スペシャルであろうが、シリーズものであろうが、作ったものの放映権を買うようになってきているわけですね。テレビ専用の番組を制作して、テレビ局に売り込むというのが、ビジネスモデルとして出来上がっている。

本誌 そこまで、ワーナー映画は業務の範囲を広げていきますか。

アイアトン 考えていますね。デジタル配信用のミニ番組とか。アメリカでは、ディズニーのマイケル・アイズナーなどはすでにやっていますよ。買い付けもやっていますし。テレビ朝日さんの「相棒」などはそうですしね。あと、隣接しているものというと、ローカルプロダクションですよね。

本誌 そうですね。ワーナー映画で今もっとも注目すべきは、ローカルプロダクションの動向です。この位置づけが、ワーナー映画にとって非常に大事になっていますね。

アイアトン 今年は中だるみでしてしまったのですが、来年には5、6本公開の運びとなりました。日本テレビさんが3本、TBSさんが1本、テレビ朝日さんが1本あります。フジテレビさんが入っていないのですが、別に意図があってそうなったわけではなく、たまたま企画がそうなっただけなのですが。いずれフジテレビさんとも、ご一緒したいと思っています。

(全文・詳細は月刊誌「文化通信ジャーナル」07年10月号に掲載)

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