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『シロナガス~』ミニ演奏会に楽曲の新垣隆

【FREE】『シロナガス~』ミニ演奏会に楽曲の新垣隆

2015年08月27日
『シロナガスクジラに捧げるバレエ』ミニ演奏会(手前:海野氏、奥:新垣氏) 『シロナガスクジラに捧げるバレエ』ミニ演奏会(手前:海野氏、奥:新垣氏)

 佐村河内守氏の「ゴーストライター騒動」で瞬く間に時の人となった新垣隆氏(ピアノ)と海野幹雄氏(チェロ)がサイレント映画『シロナガスクジラに捧げるバレエ』の楽曲を担当した。そのミニ演奏会と完成発表会見が25日に渋谷区の音楽スタジオで開催され、坂口香津美監督らも登壇した。

 新垣氏と海野氏は、長年、先輩と後輩の関係にある。騒動以前より共に演奏する機会は多く、公私共にわたっての友人関係を築いてきた。ミニ演奏会では、テーマ曲を即興演奏で披露。さきの騒動を冗談交じりにしながら話す海野氏だが、「ゆったりできる時間がないならば心配だ」と時折、真剣に新垣氏を思いやる様子からは親交の厚さが伺えた。海野氏は、「新垣さんは今、立て直そうとしている時期。音楽家として生きていくのか、ただの有名人になってしまうのかという岐路に立っている。彼を音楽家としての道に戻るための助けになりたい」と熱く語り、「彼とユニットを組もうと企画中。お互いの相乗効果になればと思う」と発表した。新垣氏は、「ユニットの話や今日の演奏会はかけがえのない機会。テーマ曲を録音した時は、騒動の最中にあった。展望が見えない時期だったが、映画の録音の仕事を与えて頂いたことが『救い』の様に感じた。海野氏という大事な仲間と仕事をできることが嬉しかった」と言葉を噛み締めるように語った。

 両氏に騒動以前より出会い、起用していた坂口監督は、「騒動中、海野氏は新垣さんをずっと見守っていた。そっとしておくという様に。2人の素晴らしい関係や音楽に惹かれている」と両氏の関係を改めて説明。また、「本作は台詞がない分だけ、いかようにも観ることができる。皆さんが考えながら観ているところに両氏の重厚な音楽が入ってくる。豊かな映画体験ができると思う」と作品についてコメントした。『シロナガスクジラ~』は9月19日より渋谷・ユーロスペースほか全国順次公開。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。