ファインフィルムズ配給『サウルの息子』の公開記念トークイベントが13日、東京・代官山蔦屋書店で行われ、ジャーナリストの堀潤氏、早稲田大学文学学術院准教授の橋本一径氏が登壇した。
先日発表のゴールデン・グローブ賞で外国語映画賞を受賞するなど、賞レースで大きな注目を集める同作は、アウシュヴィッツ解放70周年を記念し製作されたハンガリー映画。橋本氏は、アウシュヴィッツで収容者が撮影した貴重な四枚の写真を分析した著書「イメージ、それでもなお」の翻訳者であり、映画について「(ネメシュ・)ラースロー監督はこの四枚の写真に深く影響され、重要なモチーフになったようだ」とし、収容者が撮影した目的は「やはり外部に知らせたかったのだろう。しかしその希望は叶わなかった。写真を外部に持ち出せても、虐殺を食い止めることは出来なかった」と説明した。堀氏は作品内容について「収容所の中の人間の表情をよく捉えているのでアップが多く、非常に迫ってくるものがある」と語った。
1月23日(土)よりシネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで公開。