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『サウル~』好調、ホロコースト生還者登壇

【FREE】『サウル~』好調、ホロコースト生還者登壇

2016年01月29日
左からセルダヘイ・イシュトヴァーン、ヤーノシュ・ツェグレディ、イリット・サヴィオン・ヴァイダーゴルンの各氏 左からセルダヘイ・イシュトヴァーン、ヤーノシュ・ツェグレディ、イリット・サヴィオン・ヴァイダーゴルンの各氏

 ファインフィルムズ配給『サウルの息子』は27日(水)、シネマカリテで公開後初の映画ファンサービスデー(男女共1000円)を迎え、1日7回上映のうち、朝をのぞく6回が満席となった。この日だけで動員605人、興収60万7100円を記録し、大雪警戒のニュースで外出を控える人が多かった初日の土・日それぞれの動員数を上回った。

 27日は国連が定めた「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」にあたり、同館では公開記念イベントを開催。映画上映後に、ホロコースト(ナチスによる大虐殺)を生き抜き、現在日本に住むピアニストのヤーノシュ・ツェグレディ氏による演奏付トークイベントを行った。

 開催にあたり、同作の後援である2つの大使館より、ハンガリー大使館のセルダヘイ・イシュトヴァーン 駐日ハンガリー特命全権大使、イスラエル大使館のイリット・サヴィオン・ヴァイダーゴルン公使も登壇。最初に駐日ハンガリー特命全権大使が「本日はこの大事な日にこの場にお集まりいただきましてありがとうございます」とお礼を述べ、次にイスラエル大使館公使が「600万人の人々がホロコーストで命を落としたことを忘れてはいけません。皆さんがホロコーストについて考え、周りの人と話し合うことで二度と同じ悲劇が起きないことを願っています」と述べた。

 今回の演奏曲についてヤーノシュ氏は「ハンガリー民謡は祖国ハンガリーを去ることになった人々の言い表せない悲しみを表す曲です」と語り、自らアレンジした2曲をピアノ演奏し、当時の犠牲者への追悼の意を表した。

 同作は2月29日に発表されるアカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされている。シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町で公開中。今後は、▽2月13日~シネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋、京都シネマ、横浜シネマ・ジャック&ベティ ▽2月20日~こうのすシネマ ▽2月27日~シネマテークたかさき、フォーラム那須塩原・八戸・盛岡・仙台・山形・東根・福島、伏見ミリオン座、シネ・リーブル神戸 ▽3月5日~シネ・ウインド、メトロ劇場、KBCシネマ、シネマ5、Denkikan、宮崎キネマ館、桜坂劇場ほか全国順次公開予定。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。