閲覧中のページ:トップ > 映画ニュース >

『ヘイトフル・エイト』イベに種田、栗山ら

【FREE】『ヘイトフル・エイト』イベに種田、栗山ら

2016年02月17日
『ヘイトフル・エイト』トークイベ、左から高橋ヨシキ、種田陽平、栗山千明の3氏 『ヘイトフル・エイト』トークイベ、左から高橋ヨシキ、種田陽平、栗山千明の3氏

 ギャガ配給、クエンティン・タランティーノ監督最新作『ヘイトフル・エイト』のトークイベントが15日夜、東新橋のスペースFS汐留で開催され、美術監督を務めた種田陽平、『キル・ビル』出演以降、同監督と親交の厚い栗山千明が登壇した。司会を伊藤さとり、高橋ヨシキ(映画秘宝アートディレクター、映画ライター)が務めた。

 雪嵐のロッジに閉じ込められたクセ者8人、そこで起きる殺人事件を描いた密室ミステリー。種田は「本作は『キル・ビル』の様な派手なアクション映画ではない。しかしクエンティン史上、一番精度の高い映画。米国でもマスターピースだと言わしめた」とし、「血だらけなのは相変わらず(笑)」と明かした。栗山は「ワン・シチュエーションもの。それを飽きさせない脚本や役者の素晴らしさに驚いた」と話した。高橋は「音楽は87歳のエンリオ・モリコーネ自身が作っている。クエンティンは10本で引退すると言っているが、本作は8本目。そこにきてこのタッグ実現は奇跡的なこと」とコメントし、それぞれが魅力を表現した。

 同監督と種田は『キル・ビル』を次ぐ2度目のタッグ。種田は現場について「後半戦は全てセット撮影。LAスタジオの外気温はおよそ30度。役者の息を白く見せる必要があり、スタジオの中を零下5度にした。息はCGではなく本物。昔、『エクソシスト』で息が本物だと話題になったけど、あれはワンシーン。本作では全編の息が本物で白い」とこだわりを説明。高橋は「『エクソシスト』は部屋が狭かったから、冷凍倉庫の中にセットを作る方法だったが、同作ではセット自体を2ヵ月間冷却している」と語った。伊藤が「過酷ですね、役者さんが彼のもとに集まる理由は」と訊ねると、栗山は「確かに過酷だが、彼との撮影はとても楽しい場なので乗り越えられる。クエンティン自身が映画愛に満ちていて、皆のテンションを上げてくれるなど気配りもあって、チームワークも感じられる」と当時を振り返りながら語った。

 最後に種田は「本作は全編70ミリ映画。70ミリは横に長く、(普及されていた当時は)映画が始まる時に幕がさらに横に開いて上映されていた。縦横比率は1対2・75、今のシネスコは1対2・35ぐらい。やけに縦に狭いなと思わないで下さいね。横に広いんです。具体的には人物配置の捉え方に違いがでてくる。なるべく大きなスクリーンで観て頂くことをお勧めします」と締め括った。2月27日より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国公開される。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。