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『空海』特別フッテージ上映、染谷らが挨拶

【FREE】『空海』特別フッテージ上映、染谷らが挨拶

2017年10月27日
 第30回東京国際映画祭の初日25日、日中共同製作映画『空海‐KU‐KAI‐』の特別フッテージがTOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、出演の染谷将太、ホアン・シュアン、シン・ポーチン、松坂慶子、阿部寛が舞台挨拶を行った。

 10月現在、『空海』は編集段階にあり、チェン・カイコー監督の登壇はなかった。しかし、この日のために特別フッテージが用意され、当日はわずか10分程度の尺であるにもかかわらず、会場のスクリーン9(256+2席)はほぼ満席となった。

 『空海』は日中共同製作映画史上最大の本格ビッグプロジェクト。昨年の第29回TIFF期間中に製作報告会見が行われ、1年後に特別フッテージ上映という形で戻ってきた。8世紀、中国・唐の時代。日本から遣唐使として中国へ渡った若き僧侶・空海(染谷)が、中国が生んだ稀代の詩人・白楽天(シュアン)とともに、首都・長安を揺るがす巨大な謎に迫るエンターテイメント。空海と同じく遣唐使の阿部仲麻呂役を阿部、阿部仲麻呂を慕う白玲役を松坂、詩人・李白役をポーチンが務めた。

 舞台挨拶で日本人キャストは主に、カイコー監督の現場についてコメントした。染谷は、「監督は大胆かつ繊細な方。真の美とは何かを見つけ出したいと仰っていて、僕はその言葉がとても素敵に思い、一生懸命付いていった。今まで経験したことない世界を味わうことができた」。阿部は、「身の引き締まる思いで現場に入った。監督のワンカットに懸ける情熱からは、妥協のなさを感じた。時間の掛け方もすごかった。エキストラが毎日のように500人ぐらい来ていたが、彼らの端から端までに監督が作品に懸ける想いが伝わっている現場だった。カリスマを目の当たりにした」。松坂は「広大な大唐時代の町並みが再現されていて、そのセットを丁寧に見ていれば、日が暮れてしまうと思うほど。文化遺産の中にいる様な素晴らしい完成度で驚いた。この様に監督はスケールが大きい方だったが、どの方にも配慮して下さる素晴らしい方だった」とそれぞれに振り返った。

 中国人キャストは日本人キャストとの現場についてコメント。シュアンがコメントしようとするやいなや、大きな歓声と拍手がファンから起こり、日本での人気の高さが窺えた。シュアンは、「染谷さんとは5ヶ月間、現場を御一緒した。染谷さんからは、プロ意識の強さを感じた。彼の台詞は全て中国語だったので、必死に勉強されていたことでしょう。染谷さんに尊敬の念を抱き、この『空海』にとても期待している」。ポーチンは「実は、私の役は皆さんと同じ時代の人物ではなく、撮影で御一緒させて頂いていない。しかし、『空海』は、素晴らしい映画に仕上がっているはず。やはり同じ現場で共演したかった。次の機会があることを願っている」と話した。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。