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松竹BC他『鈴木家の嘘』師弟トークショー

【FREE】松竹BC他『鈴木家の嘘』師弟トークショー

2018年11月27日
 松竹ブロードキャスティング=ビターズ・エンド配給『鈴木家の嘘』の公開記念“師弟”トークショーが25日、新宿ピカデリーで行われ、野尻克己監督と『恋人たち』の橋口亮輔監督が登壇した。

 第31回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門作品賞、東京ジェムストーン賞(木竜麻生)を受賞した話題作。突然訪れた長男の死によって巻き起こる家族の混乱と再生を、ユーモアを交えつつ温かく描いた感動作。野尻監督が実体験をもとにオリジナル脚本で挑んだ。

 松竹BCオリジナル映画プロジェクト第2弾『恋人たち』の撮影当時、野尻監督は助監督として参加していた。トークショーでは、同プロジェクト第6弾『鈴木家の嘘』の脚本を手掛ける際、野尻監督は橋口監督にある相談をしていたことが分かった。野尻監督は「自分自身の話に寄せつつ、エンタメ性のある映画にする方法を聞いた。橋口監督の作品にはそれがあった。衝撃を受けたのを今でも覚えている」と振り返り、「自分の経験をそのまま書いても映画にはならない。お客さんに客観性を与えないとダメと言われた」と橋口監督からのアドバイスを明かした。

 これに対して橋口監督は「全然覚えてない(笑)」と笑いつつも、「僕は自主映画を撮っていた時、何を撮ろうかずっと考えていた。それこそ18、19歳の頃は個性が何かも分からなかったから。ただ自分の経験をそのまま自作自演してもお客さんには何も伝わらないと分かった。果てしないお客さんとの距離をどう埋めていくのかが大事」と助言。さらに、橋口監督は「この作品をコメディで見せたことはすごいこと。シリアスに見せることは意外と誰でもできる。それを敢えてコメディとして成立させたのは、ハードルが高いしなかなかできない。このバランスは野尻監督のセンス」と絶賛した。

 『鈴木家の嘘』は新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座他全国公開中。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。