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『天気の子』会見、東宝史上最大規模で公開

【FREE】『天気の子』会見、東宝史上最大規模で公開

2019年07月04日
『天気の子』製作報告会見(左より武田、桑原、野田、新海、醍醐、森、本田、川村の各氏) 『天気の子』製作報告会見(左より武田、桑原、野田、新海、醍醐、森、本田、川村の各氏)

 東宝配給『天気の子』の製作報告会見が2日、東京ミッドタウンホールAで行われ、新海誠監督、川村元気プロデューサー、声優の醍醐虎汰朗、森七菜、本田翼、主題歌と劇中曲の全てを手掛けたRADWIMPS(野田洋次郎、桑原彰、武田祐介)が登壇した。

 全世界で興収400億円以上を記録するメガヒットになった『君の名は。』から3年。待望の新海監督新作がいよいよ7月19日(金)に公開される。日本では359館(448スクリーン)と、東宝配給作品史上最大級の規模での公開となり、初日には午前0時に世界最速上映が行われ、午前9時に全劇場で一斉に初回が上映される。また、世界では『君の名は。』の135を超える140以上の国と地域に向けた配給が決定済み。まさに全世界の視線が注がれており、川村プロデューサーは「世界にほぼ同じタイミングで観て頂ける動きになっている。映画大国のインドでも上映を求める5万人分の署名が集まったということで、公開に向けて調整に入っている。前作を届けられなかった国にもどんどん広がっている」と、早くも新海現象が巻き起こっている現状を説明した。

 映画はまだ完成しておらず、公開間近まで作業は続けられる見込み。しかし、新海監督は「いい状態のフィルムになっていると思う」と自信を覗かせ、「こんなふうにギリギリまでやらせてもらえるのは、『君の名は。』でたくさんの人に観て頂けたからこそ。前作に助けてもらえている」と、最後までこだわり抜く姿勢を見せた。

 会見で監督は、声優陣やRADの魅力を細かく説明。約2千人のオーディションから選ばれた醍醐と森を「すごくいい声。応援したくなる少年少女。オーディションで聴いた時から、『私を見て』と手を挙げているような声だった」と絶賛し、本田については「僕が予想もしないアクセントや、予想もしない言い方が出てきて、すごく楽しい」と想像を上回る手応えがあったことを喜んだ。前作から引き続きタッグを組んだRADは、5曲の主題歌と26曲の劇伴を手掛け、今作でも全編にわたって作品を彩る。監督は「物語作りのところから一緒にやってきた。最初に脚本を書いて見せて、友人として『洋次郎さんはどんな音が聴こえてきますか』と曖昧なお願いから始まって…。(主題歌)『愛にできることはまだあるかい』を聴いて、初めて(主人公の)帆高はこういう気持ちなんだ、陽菜はこういう子なんだと、僕が知らない少年少女の気持ちが洋次郎さんの曲に入っていて、それを発見していく1年半だった」と、単なる楽曲提供に留まらず、作品の初期段階から膝をつき合わせて制作してきた経緯を明かした。

 また、監督はこれら才能あるスタッフやクリエイターと共に作品を完成させていくことを、「ほかの人が僕より良いものを出してくれることを納得していく過程」と表現。「ビデオコンテを一人で作った時点で、僕の中のイマジネーションはそこがある種のピーク。でも、色々な人が分担して作っていくと、『ちょっと違うな』というものがあるが、でも僕の元のものより光っている。そういう意味で、最初に思っていたものは諦めるけど、その代わりもっと光っているものを手に入れる。それをずっと繰り返してきて、ビデオコンテからすごくジャンプがある」と話し、様々な化学反応を経て、期待を上回る作品が完成しつつあることを窺わせた。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。