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武蔵野E『淪落~』アンソニー・ウォン語る

【FREE】武蔵野E『淪落~』アンソニー・ウォン語る

2019年12月11日
 武蔵野エンタテインメント配給『淪落の人』の主演アンソニー・ウォンが、映画のプロモーションとしては10年ぶりに来日。3日に新宿武蔵野館で舞台挨拶付き特別先行上映を行った。チケットは発売後わずか4分で完売、注目の高さがうかがえた。

 半身不随となり人生に絶望した中年男性と、家族のために夢を諦め出稼ぎ家政婦として働く若いフィリピン人女性。背景も文化も異なる2人が出会い、やがてお互いの人生で最も大切な存在になっていく―。

 上映前、大きな拍手の中、ウォンはステージに登壇。「オリヴァー・チャン監督とは初対面。でも脚本の話をしている時に、誠意がある人だな、この人は人を騙さない人だなと思った。これがオファーを受けた一つ目の理由。二つ目は、この映画が特別であるということ。香港の商業映画ではこういう役柄は珍しいし、フィリピンの女優が主人公であることが非常に珍しい。僕は特別なものが好きなので、引き受けることにした」と明かした。

 低予算映画のためギャラが限られ、監督は彼にそのことを正直に告げた。「わずかな金額を払ってもらうくらいなら、いっそのことノーギャラにしてくれと。その代わりヒットしたら、その利益から支払ってもらうことにした。宣伝費もなかったが、幸いなことに口コミが広がり、多くの方が劇場に来て、大ヒットとなった。だから今はギャラを期待しているけど、今のところまだ一銭ももらっていない」と笑いながら話した。

 現在、香港では「逃亡犯条例」改正案に端を発する抗議活動が激化。「やはり香港の将来は、香港側が努力して勝ち取るしかない。香港の若い人の勇気と見識に敬服している。もちろん若い人だけでなく、中年もいろんな階層の人たちも参加している。それは今までになかったことで、香港の人間として誇りに思う」と力強く語った。2020年2月1日より新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。