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大林宣彦監督逝去、後日お別れの会を開催

【FREE】大林宣彦監督逝去、後日お別れの会を開催

2020年04月14日
 映画作家の大林宣彦氏が10日に肺がんのため、東京・世田谷区の自宅で死去した。享年82。家族葬(密葬)を行い、後日お別れの会を開く。

 大林監督は、1938年に広島県尾道市で生まれた。3歳のとき、自宅の納戸で見つけた活動写真機と戯れるうちに、映画を作り始める。テレビCM草創期には、チャールズ・ブロンソンの「マンダム」をはじめ、カトリーヌ・ドヌーヴなど多くの外国人スターを起用し、CM作品数は3000本を超える。1977年に、『HOUSE/ハウス』で商業映画デビュー。次いで、自身の古里・尾道を舞台にした『転校生』(82年)、『時をかける少女』(83年)、『さびしんぼう』(85年)は尾道三部作と称され、世代を超えて親しまれ、今も新世代のクリエーターたちに大きな影響を与えている。

 近年は、大林的戦争三部作『この空の花‐長岡花火物語』(2011年)、『野のなななのか』(2014年)、『花筐/HANAGATAMI』(2017年)を発表。『花筐』は第72回毎日映画コンクール日本映画大賞など様々な賞を受賞。第91回キネマ旬報ベスト・テンでは日本映画ベスト・テンの第2位に選ばれ、監督賞を受賞した。2004年には、紫綬褒章受章、2009年には旭日小綬章受章。2019年には令和初の文化功労者に選ばれている。

 監督が肺がんと診断され、余命の宣告を受けたのは、2016年の8月。転移を繰り返すがんと闘いながら、みずからの命を削って完成させた新作『海辺の映画館‐キネマの玉手箱』は10日からの公開予定だったが、新型コロナウイルスの影響で、公開延期(近日公開)となった。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。