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ユッコ・ミラー、振り幅の広いアンビバレントな新作

【FREE】ユッコ・ミラー、振り幅の広いアンビバレントな新作

2023年11月29日
ユッコ・ミラー ユッコ・ミラー

 ピンクのロングヘアがトレードマークのジャズサックスプレイヤー、ユッコ・ミラーが、6枚目のアルバム「Ambivalent(アンビバレント)」(キングレコード)を11月1日に発売した。

 2016年にアルバム「YUCCO MILLER」でメジャーデビュー。18年にリリースした2ndアルバム「SAXONIC」が「JAZZ JAPAN AWARD 2018」アルバム・オブ・ザ・イヤー(ニュー・スター部門)を受賞するなど、確かなテクニックでジャズ愛好家や現役の吹奏楽部員から支持を集める。

 近年はユーチューバーとしても活躍。“サックスで吹いてみた”カバー曲シリーズは「『名探偵コナン』メインテーマ」が1200万再生、「Lemon」が378万再生を記録するなど幅広い層に認知され、チャンネル登録者数は21万人を突破。海外フェスへの出演も果たし活動の場を広げている。

 最新アルバム「Ambivalent」のタイトルは、日本語で「相反する」という意味。

 「演奏したい楽曲を並べていったら、振り幅が広くなりました。例えばジャズのゆっくりと静かなバラードがあるかと思えば、J‐POPの激しいロックの楽曲もあって、全然違うタイプの曲が混在しているのを全体から見たときに『Ambivalent』という言葉が合うと思ってこのタイトルを付けました」

 今作にはオリジナル曲6曲とカバー曲5曲をあわせた全11曲を収録。うち3曲は本人が歌唱している。

 オリジナル曲の一つ「Morning Breeze」は、MBS(毎日放送)お天気部・秋のテーマ曲(9月~11月オンエア)として書き下ろした。

 「天気予報で使われることを想定して作った曲で、タイトルの『Morning Breeze』は、朝のそよ風という意味です。もともと夜型人間だったのですが、朝早くに起きて朝活をするようになり、朝ってすごく気持ちがいいなと思って、朝の爽やかさを曲にしました」

 カバー曲にはYOASOBI「アイドル」、米津玄師「KICK BACK」、HoneyWorks「可愛くてごめん」など最新のヒット曲が並ぶ。

 「『アイドル』と『KICK BACK』はすごく難しかったです。最近の楽曲は転調が多く、サックスで演奏すると指が変わってしまうので、難易度高めでした」

 3曲の歌唱曲は、洋楽の「Just the Two of Us」をカバーした他、クレープやイチゴ、チーズケーキにチョコレートなど自身の好きな食べ物を歌詞に詰め込んだ英語詞の「Melted Cheese」、2021年に亡くなったドラマー、村上“ポンタ”秀一さんに捧げる「やさしいかぜ」を収録した。

 「『やさしいかぜ』は、失恋のような歌詞ですが、一緒に全国ツアーを回っていたドラマーの村上“ポンタ”秀一さんのことを書いた曲です。バンドメンバーって長い期間一緒にツアーを回っていると、家族のように仲良くなっていくんです。その空気感が好きで、ポンタさんのことを尊敬して色んなことを学んでいたので、亡くなられたことはすごくショックでした。でも、ポンタさんは明るい人だったので、暗い曲にはしたくなくて、ちょっとほのぼのとした、失恋のような歌詞に見立てて書きました」

 アルバムの発売日と同じ11月1日からリリース記念ツアーをスタート。1月にかけて北海道から九州まで全国各地を回る。

 「東北地方はポンタさんとはよく行っていたのですが、自分の名義で行くのは初めてなので楽しみにしています」

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。