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プライム・ビデオ『Broken Rage』会見に北野武監督

【FREE】プライム・ビデオ『Broken Rage』会見に北野武監督

2025年02月07日
『Broken Rage』会見に北野武監督(中央)ら集結 『Broken Rage』会見に北野武監督(中央)ら集結

 Amazonオリジナル映画『Broken Rage』の配信記念記者会見が5日、東京・港区のオークラ東京で開催され、監督・脚本・主演を務めた北野武、出演の浅野忠信、大森南朋、白竜、國本鍾建が登壇した。

 同作は、約60分の映画を前半と後半のパートに分け、前半では骨太のクライムアクション、後半では前半と同じ物語をセルフパロディという手法を使いコメディタッチで描いた。北野監督は「Amazonのネット配信ということで、お茶の間で見る映画がどういうものか悩み、実験的なものをやらせてもらおうと無理な相談をしたが、『やって構わない』ということでありがたくやらせてもらった」と話し、「2時間半ぐらいあるかなと思っていたが、家で寝転がってテレビで見ている感覚で編集が始まってしまい、えらい(尺が)短くなった。これだけ同じストーリー、同じテンションで撮っているのに、モバイルで見るのと劇場で見るのとではこれだけ変わるのかと思うほど短くなった。焦って担当者に聞いたら、『これでOKです、無理に延ばす必要はない』と言われた。1カット1カットを延ばしていけば普通の映画と同じ長さになるが、配信(を意識して)で映画を編集すると、自分でも気づかないうちにテレビの映像を見ている雰囲気になった」と、“配信映画”として面白い内容を突き詰めた結果、意外な仕上がりになったことに監督自身が驚いたことを語った。

 日本の配信映画として初めてベネチア国際映画祭に正式出品された同作。現地での上映時の反応について浅野は「(シリアスな)Aパートは、皆さん今までの北野監督のテンションを感じていたと思うが、(コメディの)Bパートが始まると劇場の雰囲気が変わり、アットホームな世界になって、家族で一つの面白い映画を見ている雰囲気に包まれた」と振り返った。大森も「現地の映画ファンはたけしさんと浅野くんに『サインしてくれ』と本当にすごい(反響)」と熱狂的な雰囲気を述懐しつつ、「僕にもたまにあるが、サインしてくれと渡された写真はたいがい浅野くん(笑)」と自虐的なエピソードで会場を笑わせた。

 最後に北野監督は「凄い!とは言わないが、お金を払って見ても損したとは思わないだろうという感覚」と謙遜しつつも作品の出来に自信を覗かせ、「この映画が向かうベクトルが、次にまた違う映画として花咲くことを期待している」と今後の新たな映画の在り方の一つになるチャレンジングな作品であることを窺わせた。2月14日(金)からプライム・ビデオで世界独占配信。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。