東映、SPE配給『宝島』の全国キャラバン13エリア目となる「広島」でのイベントが7月26日(土)に行われ、主演の妻夫木聡、大友啓史監督が市内の崇徳高等学校を訪問。さらに広島バルト11で舞台挨拶を行った。
崇徳高校では、1949年創部の「新聞部」の生徒たちから特別取材を受ける形で開催。脚本へのこだわりを質問された大友監督は「僕もあの時代を生きていないですし、しかも沖縄の人間ではないので。知らないことを追求して自分のものとして表現するのは終わりがない作業なんです」「それでも皆さんにお届けできる形にするには、どこまでギリギリまで調べるかということ」と語り、「新聞部も、そういう仕事だと思うんだけど、大切なことは諦めないということ。今回はもう時間がない、というギリギリのところまで頑張りました」とコメントした。
また、夜に行われた広島バルト11の舞台挨拶では、観客から「沖縄が本土に復帰してまだ五十数年しかたっていなくて、ほんの五十数年前の同じ日本の沖縄でこんなことが起きていたなんて信じられません。広島は戦争にとても深い関わりがあるところです。それでもこの映画の内容は心に重く響きました。次の世代、その次の世代にも伝えていかなければならないと思いました」といった感想が寄せられ、妻夫木と大友監督も感慨深い様子で耳を傾けた。最後には妻夫木が「過去を描くことは未来への問いかけだとこの作品を通じて感じました。やはり今があることは当たり前じゃない。僕たちの一人一人の想いでいい未来を作れたらいいなと、今本当に心の底から思っています。そういうことを考えるきっかけに、この映画がその架け橋になったらしあわせだなと思っています」と語った。
映画の公開は9月19日(金)。全国キャラバンは続き、8月2日に山形、3日に新潟を訪れる予定だ。