東和ピクチャーズ、東宝配給『DIGGER/ディガー』のプレスカンファレンスが5日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、主演のトム・クルーズ、監督のアレハンドロ・G・イニャリトゥが出席した。
トムが「この役を演じられるようになるまで40年かかった」と話す同作は、傲慢な石油採掘会社CEOを主人公とした、地球規模の大混乱エンターテイメント。監督は今作に9年間携わり、トムも2018年から参画しているという。イニャリトゥ監督と組んだ経緯についてトムは「26年前に『アモーレス・ペロス』を初めて見て、一緒に仕事がしたいと思っていた」「ずっと彼の作品を見てきた」と念願のタッグだったことを告白。会見中もトムは監督の独創的な脚本、キャラクターに対する理解の深さなどをしきりに褒め称え、その才能に惚れ込んでいる様子を隠さなかった。
多分に社会風刺も含まれている同作。マスコミからは、完成まで費やした9年間のうちに起きた時代の変化を踏まえて脚本をどう調整したのかという質問が挙がり、監督は「脚本を書き始めた時は、実際に起きている事件をよりラディカル(過激)でディザスター(災害)な、少し誇張して書いていた。ところが脚本開発をしているなかで、その誇張した事件が実際にそのまま起きるようになり怖かった。風刺というより、ドキュメンタリーなんじゃないかと思うぐらい。そこで(現実と)この映画を差別化するために“時空”を取り入れた。今世界で起きている事件と、あえてちょっと距離を置けるような形で描いている」と説明。トムは「風刺は一番難しい。コメディになり過ぎるとシットコムになってしまうが、リアルになり過ぎるとユーモアが失われる」とさじ加減の重要性を説いた。また、「見たことがない映画」とマスコミから感想が投げられると、トムもその意見に同調。「作品の構造を見てもらうと、時間と空間で遊んでいる。このような構造は見たことがない」と、同作が持つ特殊な“構造”にも言及した。
醜く太った強欲な石油王を演じるにあたり、トムは毎回特殊メイクに5~6時間を費やして撮影に臨んだ。本番はもとより、リハーサルの段階から特殊メイクを欠かさなかったというトムは、その理由について「役者として、自分の空間と体、声を理解しないといけない。どうすればコミカルになり、何がドラマチックになるのか。とても楽しい作業」と、自身の体型やメイクがどう本番の演技に影響するのかも踏まえてリハを行っていることを説明。特殊メイクのままで現場にいることが多かったため、監督は「ある日、トムが普通の姿で現場に来た時に、みんなが『トム・クルーズじゃん!』と驚いてしまった」と、トムが役に成りきっているからこそ生まれたユニークなエピソードも披露した。10月9日(金)公開。