閲覧中のページ:トップ > 放送ニュース >

中島央監督の米映画「Lily」、4月2日公開

【FREE】中島央監督の米映画「Lily」、4月2日公開

2011年03月16日
☆アメリカで映画制作を学び、脚本家としてキャリアをスタートさせた中島央監督の初長編にして、日本デビュー作「Lily」(製作:スーパーフィルムメーカー・インク)が、4月2日(土)よりシアターN渋谷にてロードショー公開される。

▼本作は、中島監督自身の実体験をもとに、アメリカ人のキャストとスタッフによってロサンゼルスで、全編英語で撮影されたラブストーリー(89分)。2007年に中島監督が初監督した短編「リリィ」のセルフリメイクリニューアル版で、35歳の日本人監督が製作・脚本も手がけたハリウッド映画だ。

▼09年に第62回カンヌ国際映画祭にてワールド・プレミア上映、その後、ロサンゼルス・ムービー・アワード2010など各国の映画祭に招待され、同アワード長編映画部門HONARABLE MENTION、メキシコ国際映画祭でシルバー・パーム・アワード賞を受賞している。そして遂に、全米公開に先駆けて日本での公開が決定した。

▼5年前にデビューした若手脚本家のヴィンセントは、新作のためにある危険な方法でアイデアを掴もうとするが、このためヴィンセントと彼女の間に予想もしなかった変化が訪れる。すっかり変わってしまった2人の関係は、ヴィンセントの書く物語に影響を与え、2人の実人生と不思議な交わりを始めるのだった―。

▼キャストは、ジョシュ・ロング、レベッカ・ジェンセン、ジョン・ボーレン、ルアナ・パラーモ、キャリー・ラトルッジ。プロデューサーはアラン・ノエル・ヴェガ、撮影は豊田実、編集は水谷明希、美術はメリッサ・ユウ、音楽は坪口昌恭、衣装デザインはケリー・コドウスキー。国内の配給宣伝はアルゴ・ピクチャーズ。

▼この映画は、単に日本人監督がハリウッド映画を撮ったという話題だけの映画にとどまらない。スランプに陥った脚本家が、現実と妄想の狭間を彷徨う物語はこれまでにもいくつもの作品で描かれてきたが、本作はそんなストーリーを独特の視点、空気感、ストーリーテリング、編集、音楽、そして繊細な映像美でもって表現し、いつしか日本人監督作品であることを忘れさせ、観客をピュアな愛の世界に誘う。一歩間違えれば混乱しかねないストーリー構成を、しっかりと整理しまとめ、中島監督の映画への愛、真実の愛への思いが貫かれている。ハリウッド映画でもアジア映画でもない、新たなラブストーリーとして描き上げ、日本人という “枠組み” を軽々と越境して見せた。今後のボーダレスでグローバルな活躍が期待される。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。