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入江悠監督「SR3」香港国際映画祭上映

【FREE】入江悠監督「SR3」香港国際映画祭上映

2012年03月28日
WP上映後のQ&Aに出席した入江悠監督 WP上映後のQ&Aに出席した入江悠監督

 驚異的なロングヒットを記録し、続編も製作され、日本の青春映画の金字塔となった「SR サイタマノラッパー」の第3弾「SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」が22日、香港国際映画祭でワールドプレミア上映された。

 メガホンをとったのは、「SR サイタマノラッパー」シリーズ2本に加え、人気バンド“神聖かまってちゃん”の楽曲をモチーフとしたオリジナル脚本の青春群像劇「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」など話題作を立て続けに発表する入江悠監督。最新作となる同作では、初のライブシーン、巨大フェスシーン、ラストの驚異的な長回しなど、20日間に渡る怒濤の撮影を乗り越えて作成された。

 出演は奥野瑛太、駒木根隆介、水澤紳吾など。製作委員会はアミューズ、ノライヌフィルム、鈍牛倶楽部、パルコ、角川書店、SPOTTED PRODUCTIONS、メモリーテック。制作プロダクションはアミューズ、ノライヌフィルム。制作協力はダブルディー。配給はSPOTTED PRODUCTIONS。4月14日(土)よりシネクイントほかで全国順次ロードショー。

 ワールドプレミアでは、平日の昼間にも関わらず熱心な香港の映画ファンが本作品を楽しんだ。上映後には入江監督が観客の質問に応じ、長回しに挑戦した理由についての問いには、「一つは編集の問題。この映画は僕が田舎でくすぶっていた頃の原風景が描かれており、決してカッコよくしてはいけないと思った。編集を細かくすると「8マイル」のようなカッコイイ映画になるので。二つ目に、歌が始まる瞬間を、編集で描くのではなく、1カットで表現したかった、という気持ちがある。最後に、商業映画では実現できないような非効率的なやり方で俳優に負荷をかけ、鍛えることで演技を引き出した」とコメント。フェスシーンの長回しは、「二日間に分けて撮影した。日が暮れてから、最終電車が走るまでの短い時間がチャンスだったので、1日三回が限度だった。残念ながら一日目に撮影したシーンは使われていない」と撮影の裏側を明かした。

 また、「作曲家とどのような関係で作ったのか?」の問いには、「僕が考える音楽映画は、全編ずっと音楽が流れるものではなく、映画の中で一回しか流れないようなものが理想だった。それは、主人公の衝動が、最後に響くものだと思うから。なので作曲家とは、ラジオや車の中、ライブ会場で流れる曲など、実際の生活環境で流れる音楽を作り込んだ」とし、日本ではインディペンデント映画がブームなのか?という質問には、「はい。昔に比べて、デジタルの普及でシネコンでも上映できるようになり、門戸は開いたと考えている」と答えた。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。