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「苦役列車」山下監督、森山ら完成披露試写

【FREE】「苦役列車」山下監督、森山ら完成披露試写

2012年06月16日
「苦役列車」完成披露に山本未來ら舞台挨拶 「苦役列車」完成披露に山本未來ら舞台挨拶

 第144回芥川賞を受賞した西村賢太の同名小説を映画化した「苦役列車」(配給:東映)の完成披露試写会が14日、有楽町朝日ホールで行われ、山下敦弘監督、出演の森山未來、高良健吾、前田敦子(AKB48)、マキタスポーツ、主題歌「Trash」を担当したドレスコーズのボーカル・志磨遼平が舞台挨拶した。

 同作は、86年~89年のバブル絶頂期を舞台に、19歳の肉体労働者・北町貫多のひねくれた青春を綴るドラマ。東映製作陣が映画化権獲得のために芥川賞授賞式に乗り込み、原作の西村に直接オファーをかけ、その後正式に映画化が決定した。

 11年11月25日にクランクイン。昭和末期の東京を描くために、その頃の風情が残る工場の内外(芝浦、木更津)、風俗店のある街並み(八王子、土浦)、四畳半風呂無しトイレ共同の安アパート(大泉、代田橋)、古書店(高円寺)、ボーリング場(赤羽)などで撮影が行われた。また、現在、映画はほとんどがデジタル撮影だが、同作は山下監督からの要望もあり、撮影はスーパー16(ミリ)によるフィルム撮影で行われた。そして、その質感をそのままデータ上に取り込み最終的にはデジタル仕上げをするという技術が導入され、80年代の時代感を匂わせる画質となった。

 製作委員会は、東映、木下工務店、キングレコード、東映ビデオ、東映チャンネル、Yahoo!JAPAN、日本コロムビア、マッチポイント、ビターズ・エンド、東京スポーツ新聞社、ソニーPCL。製作プロダクションは東映東京撮影所、マッチポイント。7月14日(土)全国RS。

山下敦弘監督の話 並んでいるキャストを見てもわかるように、本当にバラバラで異種格闘技戦。この他にも凄い人たちが出演しているので、観ているだけで楽しい。魅力的な人に来てもらって、好きな映画が出来た。

森山未來の話 重たい映画になる可能性もあったが、貫多はあくまで19歳で、金も女も友達もいなくても、パッションがある。「世間からは外れているかもしれないが、ゆがんだ青春映画を意識してやりたい」と監督に言われ、その通りにやりたいと思った。

高良健吾の話 高校生の時から好きだった山下監督の作品に出られて幸せ。明日はもっと頑張ろうという意識で現場に臨めた。

前田敦子の話 撮影は初めての体験ばかりで楽しかった。「映画を観た」と思える作品。

マキタスポーツの話 密かに主題歌狙いで作曲(『俺はわるくない』)をして監督に見せたら、「狙っているでしょ」とバレた。結局コンペで負けて挿入歌になったが(笑)。

志磨遼平の話 これがデビュー曲。「なぜ自分たちに??」と不審に思ったが、試写で観て、貫多を鏡で見ているように思って「こりゃ僕だわ」と納得した。

(写真は、左より志磨、前田、森山、高良、マキタ、山下監督)

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。