すぎやまこういち氏「ドラクエＸ」音楽語る

ニューアルバムの発売を記念しトークショーを行なった作曲家すぎやまこういち氏

　人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの音楽で知られる作曲家、すぎやまこういちが20日、東京・銀座山野楽器本店７階「ＪａｍＳｐｏｔ」でニューアルバム「弦楽のための『舞曲』２００７」「組曲『兵士の物語』」（共に４月25日発売＝ＳＵＧＩレーベル／キングレコード）の発売を記念し、購入者を対象としたトークショーを開催。収録曲の解説や普段の作曲方法、さらには８月に発売される「ドラクエ」シリーズ最新作「Ｘ」の音楽にまつわる話も披露し会場を沸かせた。

　アルバム「弦楽の～」は、すぎやま氏の初期作品３曲を収録した作品。収録曲のひとつ「子供のためのバレエ『迷子の青虫さん』」について、すぎやま氏は「高校３年の時、近所のバレエ団の児童部に依頼され、僕が公式的に作った初めての作品。僕の作品番号１番です。バレエ団はプロに作ってもらいたいけど、そこまで頼むお金が無くて。僕もやるやるとすぐ引き受けちゃった。頼む方も頼まれる方もいい加減でしたね（笑）」など話し笑いを誘った。

　また、普段作曲する時、大切にしていることについて「僕は基本的に理論で音楽は作らんのです。（理論で作られた音楽は）整然としているけど人の血が通ってないから。大切にしているのは感覚や感受性。頭に浮かんだことをパッとメモに残し、それらをもとに曲を書いていく。それと『５分』で出来るというのが大事。調子が悪い時は何にも浮かばないけど、この５分が出てくるまで待つ。『亜麻色の髪の乙女』や『ドラクエ』の序曲も大体５分で出来ました」と語った。

　さらに、今回も音楽を手がけた「ドラクエ」シリーズ最新作「Ｘ」（８月２日Ｗｉｉ版発売）の音楽についても触れ「自分でもとても気に入っています。『Ⅳ』の時、ライアンやら、たくさんキャラクターが出てきてそれぞれにテーマ曲を作る楽しみがありましたが、『Ｘ』も各キャラクターのテーマ曲をたくさん作ることが出来ました。既にレコーディングは済みました。是非楽しみにしていて下さい」と明かした。

　「ドラクエＸ」の音楽を演奏する「第26回ファミリークラシックコンサート　ドラゴンクエストの世界　交響組曲『ドラゴンクエストＸ』目覚めし五つの種族」（８月23日、東京・赤坂「サントリーホール」）のチケットは、５月12日に発売され、既に完売した（当日券30枚販売予定）。