閲覧中のページ:トップ > 映画ニュース >

松竹『人類資金』特別試写会とトーク

【FREE】松竹『人類資金』特別試写会とトーク

2013年09月25日
左から福井、阪本、古市の各氏 左から福井、阪本、古市の各氏

 松竹配給『人類資金』の特別試写会とトークショーが21日、東京国際フォーラム ホールCで行われ、監督・脚本の阪本順治、原作・脚本の福井晴敏、社会学者の古市憲寿の3氏が登壇。「僕たちは世界を変えることができる」というテーマで、現役大学生30人とともに熱いトークを繰り広げた。

 同作は、現在の社会を支配している金融資本主義に一石を投じるエコノミック・サスペンス。10月19日全国ロードショー。

福井晴敏 (このプロットの発想は?と問われ)「M資金」を知らない方が大部分で、M資金の謎を解くというだけではなかなか観てくれないと思い、今のトピックと繋げないと…。そこで止まっていて、しばらく寝かせておいた。そんな時、リーマン・ショックが起こり、マネー経済が我々の生活にとっていかに危険で怪しいものかを身に染みて感じた。M資金はお金だし、上手く繋げられないかなと思い、このプロットを発想した。

阪本順治監督 (プロットを受け取り)ロシアや東南アジア、ニューヨーク、国連が出てきて「映画化が前提って言ったよね?(予算規模はいくら?)」と思いながらも、それを上回る感動を覚えた。福井さんは『亡国のイージス』でも国防の話を海洋アクションにしたように、都市伝説の話ではなく期待を上回る意表をつくものにしてくれた。現代劇として政治や経済を扱う以上、グローバリズムの中で語らなくてはならず、スケール感やテーマ性も持たせたかったので、海外での撮影も納得した。

古市憲寿 最初パンフレットを拝見した時は、すごく不安だった。ほとんど渋い男の人しか出ていない。でも実際に映画を観てみたら、イメージがまるで変わった。社会を変えるというのはどういうことか、すごく真面目に誠実に考えた作品だった。最近は「社会を変えるにはどうするか?」というようなものが流行っていて、抽象的でなかなか中身のないものが多いが、この映画はその抽象的なものを現実的に、真面目に、でもエンタテインメントに作っていて、チャレンジングな映画で引き込まれてしまった。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。