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松竹、築地市場ドキュメンタリー映画を製作

【FREE】松竹、築地市場ドキュメンタリー映画を製作

2014年06月03日
松竹が築地のドキュメンタリーを製作(写真は左から、大角、大谷、伊藤、粟竹の各氏) 松竹が築地のドキュメンタリーを製作(写真は左から、大角、大谷、伊藤、粟竹の各氏)

 松竹は、東京の築地市場をテーマにした長編ドキュメンタリー映画を製作する。その製作発表会見を2日午後、築地市場内で行い、松竹から大谷信義会長、大角正常務取締役映像本部長、東京魚市場卸協同組合(東卸)から伊藤淳一理事長、粟竹俊夫広報文化担当常務理事が出席した。

 映画のタイトルは『Tsukiji Wonderland(仮題)』。東卸の全面協力のもと、築地市場内で1年にわたる長期撮影を敢行。すでに撮影は始まっており、来年3月に終了予定。約2時間の映画に仕上げる。海外での公開を想定しており、海外マーケットへのセースルや映画祭へのアプローチにも力を入れる。日本公開は2016年を予定している。

 また、同作ではクラウドファンディングを実施、オーマが運営するサイト「READYFOR?」で2日から開始した。大角常務の説明によると、このファンディングは資金集めよりも、参加型の映画にしたいという意味合いが強い。一口3千円、上限は100万円で、支援者は金額に応じたリターンを受け取れる。松竹はこれまで、大谷図書館の所蔵資料のデジタル化、旧作映画のデジタル修復などでクラウドファンディングを実施してきたが、製作においては今回が初めてとなる。

 製作・配給は松竹メディア事業部。制作はパイプライン。協力は東卸、企画は手島麻依子(松竹メディア事業部)、奥田一葉(3番テーブル)。監督・企画は遠藤尚太郎。撮影は角田真一。制作プロデューサーは中山賢一(パイプライン)。

大谷会長 松竹は劇映画だけでなく、ドキュメンタリーを中心とした映像の製作にも力を入れていく考え。そのトップバッターのような位置づけとして、築地市場を主役にした映画を作る。

大角常務 築地市場が豊洲に移転する、だから記録しようという発想で始まった映画ではない。松竹の社員が市場に3年ほど通い、映画として残すべきだという彼女の情熱を受けて、企画にGOを出した。四季折々の魚、市場で働く仲卸のプロフェッショナルぶり、寿司屋など市場に買いに来る人たち、市場を訪れた外国人のインタビューなどを盛り込む。

伊藤理事長 仲卸の仕事、機能を広く知ってもらう機会になれば有り難い。撮影が円滑に進むように協力する。映画が完成したら、魚食の普及に活用させてもらいたい。築地市場がなぜ、海外の人に人気があるのかは、正直言って分からないが、この映画を通じて第三者的な立場から、その理由が分かったら嬉しい。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。