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最優秀は『童貞組長』、MPAの脚本コンテ

【FREE】最優秀は『童貞組長』、MPAの脚本コンテ

2014年10月28日
フィルムワークショップに出席したパットナム氏 フィルムワークショップに出席したパットナム氏

 MPA/JIMCA(日本国際映画著作権協会)は26日、デジタルハリウッド大学と共同で「第2回MPA/DHUフィルムワークショップ」を同大学駿河台キャンパスで開催した。

 当日は、映画の脚本(シノプシス)コンテストが行われ、最優秀作品賞には東京都の作田勇人さんによる『童貞組長』が選ばれた。ある暴力団組長が激しい抗争の中、童貞喪失をしようと悪戦苦闘する物語。作田さんには「ハリウッドの旅5日間」が贈られた。

 コンテストには、前回の128作品を大幅に上回る204作品の応募があり、事前審査によりベスト20を選出。当日は、それらの応募者が5名ずつ4グループに分かれ、各グループ2名の審査員に向けてプレゼンを行なった。続いて各グループから2名のファイナリストが選ばれ、ベスト8に選出された8組9名(1本は共作)が、会場全体に作品を説明し、審査員による質問やフィードバック及び審査を経て、最優秀が決定した。審査員は、『炎のランナー』などで知られる名プロデューサー、デヴィッド・パットナム氏をはじめ、映画プロデューサーのルーカス・オリバーフロスト、映画監督の中島良、脚本家の岡本貴也、コンサルタントのマーク・フォティ、ワーナー・ブラザース映画の上木則安、MPAのマイク・エリススティーブン・ジェナーの各氏が務めた。

 なお、コンテストの前には、審査員を務めた映画人によるセミナーも行なわれた。パットナム氏は、「映画におけるストーリーテリング」と題し、映画製作の歴史を紐解きながら、感銘を受けた作品なども紹介。息子で、世界的な作曲家であるサーシャ・パットナム氏が、父の生んだ名作4作品のテーマ曲をピアノで生演奏する場面もあり、会場を盛り上げた。最後にパットナム氏は会場の若手クリエイターたちに、自分らしさを大事にして自信を持って前へ進むようにとのエールを贈り、イギリスの映画名作百選のクリップ上映で幕を閉じた。そのほかの登壇者は、オリバーフロスト、中島、岡本、フォティの各氏。

 さらに、ショートショート フィルムフェスティバル&アジア代表で、俳優の別所哲也氏が「ストーリーテリングの構築」に関するプレゼンを行ない、「短編映画においては、短い限られた時間内でどのようにストーリーテリングを構築するかが作品の優劣を決める」などと重要性を語った。

 なお、第3回となる同フィルムワークショップも、来年の東京国際映画祭期間中に開催が予定されている。

※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。