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アスミックA『ラブ&ピース』、初夏公開

【FREE】アスミックA『ラブ&ピース』、初夏公開

2015年01月21日
 園子温監督のオリジナル作品『ラブ&ピース』は、アスミック・エース配給で初夏に全国公開が決まった。

 同作はこれまでの園子温ワールドのイメージと一線を画す、感動と涙のディザスター・エンタテイメント。誰も死なない、エロくない、しかし園監督らしい超展開はそのままに、極上の世界が描かれる。初めて特撮を用いて演出し、東京の街に巨大化した怪獣を出現させる。

 物語の舞台は、2015年夏の東京。楽器の部品会社のサラリーマン鈴木良一は、以前はロックミュージシャンを目指していたが挫折。以来うだつがあがらない。同僚の寺島裕子に想いを寄せるも、小心者すぎて話もできない。良一は一匹のミドリガメと運命的に出会い、ピカドンと名付けてかわいがるが、会社でからかわれピカドンをトイレに流す。ピカドンが地下に住む謎の老人に拾われたことで、良一を思いもよらない展開が襲う。

 主人公のサラリーマン良一を演じるのは長谷川博己。彼が想いを寄せる裕子に麻生久美子。物語の鍵を握る謎の老人役に西田敏行。ほかに渋川清彦、奥野瑛太、マキタスポーツ、深水元基、手塚とおる、田原総一朗、水道橋博士、宮台真司、茂木健一郎、津田大介、真野恵里菜、神楽坂恵、松田美由紀が出演。さら特撮を駆使したキャラクターたちの声を星野源、中川翔子、犬山イヌコ、大谷育江が担当した。

園子温監督 この作品は俺の魂の集大成だ。

長谷川博己 園作品二度目の出演で、初めて主演を務めた。一人の冴えないサラリーマンがロックスターになる、そして怪獣が出てくる特撮映画だ、と聞いて一体どんな映画なのか想像がつかず。出来上がった作品を観て不覚にも涙した。観る人たちそれぞれにカタルシスのある作品。

麻生久美子 衣装合わせの時、とにかくダサく、色気はゼロで麻生久美子だと分からない感じでやってほしいと言われ、今までにない自分を引き出してもらえそうでワクワクしたのを覚えている。ストーリーもファンタジーで心に響き、今まで観たことのない素敵なとんでもない映画。

西田敏行 下水道のセットの中でひたすら一人芝居をするのは初めての体験。人間の共演相手もなく、撮影中はこれで大丈夫なのかと不安に駆られたが、出来上がった作品は素晴らしく、手に汗握りながら最初から最後まで楽しく観た。とても園子温監督らしい映画だと思う。
※記事は取材時の情報に基づいて執筆したもので、現在では異なる場合があります。