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大高宏雄の興行戦線異状なし Vol.26

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大高宏雄の興行戦線異状なし Vol.26

2011年04月19日

◎GW興行、頼みは早くも「GANTZ」新作か

 大震災後の、という注釈が入らざるをえない今年のGW興行の幕が切って落とされた。定番のアニメは、少し明暗が分かれた。

 「名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)」が4月16、17日の2日間で、45万3618人・5億5015万1000円。「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ黄金のスパイ大作戦」が同じく2日間で、16万8961人・1億9396万4400円を記録した。

 「名探偵コナン~」は、前作「名探偵コナン 天空の難破船」(最終興収32億円)の97・9%と順当。「映画クレヨンしんちゃん~」は、前作「映画クレヨンしんちゃん 超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁」(最終12億5千万円)の71・6%だった。前者は、今年で15周年を向かえたこともあって、声優などで作品のテコ入れが行われた。中身への関心含め、安定感は抜群だと言える。

 「クレヨンしんちゃん」シリーズは、昨年の作品が原作者が亡くなった後の新作公開ということもあって、例年とは違ったファンの関心があった。今年のスタート成績は、一昨年に戻ったということだろう。ちなみに、一昨年の「映画クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国」は、最終10億円の成績だった。

 洋画は、「ガリバー旅行記」が、4月15~17日の3日間で18万8519人・2億7717万4860円。「エンジェル ウォーズ」が16、17日の2日間で、4万6471人・6217万8000円だった。

 「ガリバー旅行記」は、ファミリー層。「エンジェル~」は男性中心。ただ、どちらも、期待度からすると、足りない。とくに「エンジェル~」は、深刻だろう。2作品とも、米国での興行が今一つだったが、日本も例外ではなかった。

 さて、このGW興行の幕開け。大人の映画が少ないのが気にかかる。見たくても、ないのではないか。相変わらず、洋画の編成が弱いと思う。作品がないのか。この時期に力を入れないのか。両方だろう。

 昨年は、正月に「アバター」、GWに「アリス イン ワンダーランド」があった。3D映画が、華々しく存在感を見せた、さて、今年は。あまりの差に、愕然とせざるをえない。頼みは、「GANTZ」の新作か。

(大高宏雄)

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