劇作家の鴻上尚史が主宰し、俳優の筧利夫らを輩出した人気劇団「第三舞台」が5日、10年ぶりの新作「深呼吸する惑星」の製作会見を都内で行った。同公演をもって劇団は解散することも決まっており大きな関心を集めるが、鴻上は「あまり過剰に期待しないで……。あくまで1本の舞台として見てもらえれば」と謙虚に話した。
1981年に早稲田大学の演劇劇研究会で旗揚げされた「第三舞台」。スピード感あふれるセリフ回しや場面転換、ギャグの応酬などシリアスと笑いの境界を自由奔放に行き来する作風は、演劇ファンから熱烈に支持されてきた。2001年の結成20周年公演から活動を10年間封印、約束どおり復活を果たしたが、これが最後の公演となる。
期待が高まる復活&解散公演。どのような作品になるのか? と聞かれ、鴻上は「今まだ(台本を)書いている途中なので」と交わしながらも「舞台を見て劇場を去るときに(観客に)より元気になってもらいたいという思いは変わらない。ベストを尽くして衝撃的な舞台にしますよ」と自信をのぞかせた。
出演は、今や日本を代表する俳優となった筧をはじめ、長野里美、小須田康人、山下裕子、筒井真理子、高橋一生(客演)、大高洋夫。会見は同窓会ムードで和気あいあい。筧は、1991年のイギリス公演で劇団員全員で食中毒になったというエピソードを懐かしげに明かし、公演に向け「気合い十分? もちろん。鴻上尚史という才能の塊から今回どのような言葉があふれ出て、それを僕がどう受け止めるか、頭がいっぱいですよ」と笑顔で話した。
舞台「深呼吸する惑星」は、東京公演が今年11月26日~12月18日に新宿・紀伊國屋ホール、来年1月6~9日に池袋・サンシャイン劇場。大阪公演、福岡公演も予定されている。